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 スーパーコンピュータの「地球シミュレータ」が2009年3月にもその役目を終えることが本誌の取材で分かった。保有する独立行政法人の海洋研究開発機構は次期機種の選定を10月末から本格化させており、来年春にも入札を実施。09年度中に次期地球シミュレータを稼働させたい考えだ。現在の地球シミュレータは電源が落とされ、引き取り手がなければ廃棄される可能性が高い。

 地球シミュレータは登場した02年から04年6月まで、世界で稼働中のスパコン性能をランクするTOP500で首位を保ち、日本のスパコン開発力を世界に知らしめた。しかし、最新のスパコンに比べると、性能当たりの電気代など運用費の負担が大きい。

 そこで、海洋研究開発機構は独自開発の地球シミュレータから汎用製品に転換し、コストを抑えて性能向上を図る方針を固めた。現在の地球シミュレータの性能は35.8テラFLOPSでTOP500の世界20位。次期地球シミュレータは倍以上の性能とし、100テラFLOPS程度まで引き上げたい考え。これは現段階では世界2位を狙える値だが、09年の時点ではトップ10位入りも難しいと見られる。

 地球シミュレータはNECが開発したベクトル型アーキテクチャのスパコン。このため業界内では、NECが10月25日に発表し来春に出荷するベクトル型スパコンの最新機「SX-9」の採用を有力視する声がある。この点について海洋研究開発機構は「クラスタ構成によってスカラー型の性能も上がってきている。ベクトル型に限定せず、広く仕様の提案を募る考え」としている。