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 11月1日,「群衆の叡智」をテーマにしたパネル・ディスカッション「群衆の叡智サミット」が開催された。群衆の叡智(The Wisdom of Crowds)とは梅田望夫氏が次の10年の最重要キーワードとして挙げるなど,新しい価値を生み出していくための方法論あるいは思想として注目されている。パネルでは企業や開発者,研究者,ブロガーなどそれぞれの立場から様々な意見が交わされた。会場の参加者が携帯電話やパソコンでサイトにアクセスし,ある設問についてその場で回答し集計する,といった試みも行われた。

 NECの福岡秀幸氏はNECグループ社員が誰でも閲覧できる「イノベーションカフェ」と呼ぶ取り組みを紹介。社内SNSなどにより知恵の共有が行われているという。日本IBMの上條利彦氏は,日本だけでなく世界のIBMで知恵を共有する「Innovation Jam」と呼ぶ取り組みを紹介した(米Business Week誌の記事)。マイクロソフトの楠正憲氏によれば,Microsoftでも同様な取り組みが行われているという。

 OKwebを運営するオウケイウェイヴ 代表取締役社長 兼元謙任氏は「Q&Aシステムを企業に提供するというビジネスは,実はユーザーから教えてもらった。『売り方がわからないだろう』と提案書まで書いてもらった」と,同サイトのコンテンツのみならず,ビジネスの仕組みそのものがユーザーからの知恵で成り立っていることを明かした。

 またオープンソース・コミュニティからはSRA OSS日本支社の石井達夫氏が,PostgreSQLは多数の開発者による貢献を集めて行われていることを紹介。Mozilla Japanの瀧田佐登子氏は,Firefoxの開発は数百人のボランティア開発者と数万人のボランティア・テスターが参加していると語った。

 駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部准教授 山口浩氏は,「2007参議院選挙 予測市場」を紹介。政党を株価に見立て,アクセスした一般ユーザーが株を売買することで選挙結果を予想するという「予測市場」と呼ばれる仕組みで,日本でも事業化が始まっている(関連記事)。

 「群衆の叡智」を「衆愚」にしないためにはどうすべきか。小飼弾氏は「『群衆の叡智』は,人々が付和雷同しない時に初めて発揮される。Webはこの『群れないまま属す』という難しい状況を可能にした」と指摘(関連記事)。慶應ビジネススクール 准教授 岡田正大氏は「米Googleをケースステディして判明したのが情報共有の重要さ。徹底的に情報を共有すれば人々は信頼しあう」と述べた(関連記事)。