PR
三菱東京UFJ銀行の根本武彦 執行役員 システム部長
三菱東京UFJ銀行の根本武彦 執行役員 システム部長
[画像のクリックで拡大表示]

 「今メガバンクに求められているのはビジネス・モデルの変革。ITはその変化に対し、迅速的、効率的に対応しなければいけない。そのためにはSOA(サービス指向アーキテクチャ)が有用な手段になる」。三菱東京UFJ銀行の根本武彦 執行役員 システム部長(写真)は11月15日、日本IBMが主催した「IBM SOA World 2007」の講演の場でこう語った。

 SOAが有効であると根本部長が考えた理由はこうだ。同社では、システム戦略を考えるときに(1)自社、(2)自社グループ、(3)同業他社、(4)異業種他社の4つのカテゴリで最適化を考えるが、根本部長は「そのいずれのカテゴリにおいても今後は『IT資産の相互利用』が重要になる。そうしたことを実現しようとすればSOAでなければ効率が悪い」という。

 例えば、自社内のシステム最適化を考えた場合、例え新規にチャネルを増加しても、最終的に口座の残高を更新するなど銀行にとっての本質的な業務は変わらない。そのため、「システムの中で変わらない部分を複数のサブシステムから簡単に使えるようにしておけばよかったと思うことがある」と根本部長は話す。これはSOAの基本的な考え方だ。

 自社グループでは、証券、カードなどの業態ごとにIT資産も各中核企業に集約させ、そのIT資産をグループ内で相互に活用する仕組みが必要になっている。異業種他社と組んで新ビジネスを立ち上げる場合などは、自社のIT資産の一部を他社に開放したほうが効率がよいことがあるという。SOAに基づいてシステムを構築しておけば、そうした連携も容易だ。

 同行がIBMと共に進めている地銀向けのシステム共同化も、同業他社とのIT資産の相互利用の一種である。「共同システムにSOAを進めれば、参加行が必要な部分だけを利用するなど、戦略の自由度が増すはずだ」(根本部長)。

 すでに同社では、旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行との統合作業の最中でありながらSOAの取り組みを開始している。旧東京三菱銀行が進めてきたEA(エンタープライズ・アーキテクチャ)で描いていたシステム・アーキテクチャをSOAを取り入れたものに進化させた。既存システムはWebサービスなどでラッピングし、論理的には1つに統合されたESB(エンタープライズ・サービス・バス)を介して各種サービスが連携しあう。同社は主に統合後、このアーキテクチャを目指して徐々にシステム改変を進める。

 アーキテクチャのほか、SOAに適した開発方法論やガバナンスのやり方をまとめている。部分的にはSOAに基づいた開発も始めた。「予想以上の開発生産性のよさだった。パフォーマンスもほぼ問題なかった」(根本部長)。

■変更履歴
記事中で銀行名を東京三菱UFJ銀行としていましたが、三菱東京UFJ銀行です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2007/11/16 10:05]