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 「世界市場に目を向け、テクノロジを活用せよ」――。ガートナー ジャパンのアナリストはこう訴える。同社は11月20日、記者向けに説明会を開催し、IT業界およびユーザー企業のCIO(最高情報責任者)やシステム部門に対して2008年に向けた提言を発表した。

 提言で特に強調したのは「テクノロジ」と「世界市場」という2つのキーワードである。「テクノロジが発展する方向性とその威力を見据えて、経営戦略を練ることが欠かせない」。亦賀(またが)忠明ガートナーリサーチ バイスプレジデントは、技術の重要性をあらためて強調する。

 「将来、1つのプロセサで地球規模のトランザクションを処理できる時代が来る。実際、米IBMは『メインフレーム1台で世界のトランザクションをすべて処理させよう』という考え方に基づいて、経営戦略を練っている。こうしたテクノロジを見据えた構想力のあるなしが、企業の競争力、つまり業績に直結している」(亦賀氏)。

 亦賀氏によればIBMは世界メインフレーム市場の8割を占めており、この割合は年々上昇しつつある。それに応じてメインフレームの売上高も伸びている。これまでIBMは、メインフレームのオープン標準への対応を進めてきた。これにより、レガシー・マイグレーションという言葉の下でメインフレームを撤廃する動きがあるにもかかわらず、IBMのメインフレームは市場占有率も売上高も増加するという「一人勝ち」の構図になりつつあるわけだ。

 「(米IBMのような)構想力が日本のITベンダーには見られない。日本のITベンダーの人に会って御社の戦略は何だと質問すると、『何をしていいのか分からない』という返事ばかり。これは大きな問題だ」(亦賀氏)。

 亦賀氏は2010年以降のテクノロジ・キーワードとして「メガ・データセンター」や「テラ・アーキテクチャ」を挙げる。「Web2.0やグリーンIT、仮想化といった今旬のキーワードは、すべてここに行き着く。今のキーワードが将来どんなITの姿を形作るかを見据えて動くべき」と亦賀氏は強調する。

 ガートナーがテクノロジと同様に強調したのは、世界市場である。「もはや世界を相手にしなければ企業の先はない。テクノロジとともに、世界市場を見据えて将来構想を練るべきだ」とガートナーリサーチ バイスプレジデントの松原 榮一氏は強調する。「中国やインドなどの企業には、世界市場にどう打って出るかという意志が強く見られる」(松原氏)。

 世界に打って出る時のモデルが米グーグルだという。「巨大なサーバー・システムというテクノロジを使って、世界に出た。グーグルが登場したインパクトは、テクノロジの面でも、企業のグローバル活動という面でも大きい」(亦賀氏)。

 グーグルはネットを事業の場にするため世界展開しやすいとも言える。だが製造業や流通業などでも、強いと言われている企業の多くは、国外に事業を展開している。松原氏は「例えばコンビニ業界はアジアに進出している。主要企業のセブン-イレブン・ジャパンは、本家である米国法人を買収してしまったほど。世界市場に出た企業は成長し、国内にとどまっている企業は伸び悩んでいる。そう言い切ってしまっていいほど二極化が進んでいる」と強調する。

 「世界で活躍する、いわゆるリーディング企業の多くは世界市場を相手にしている。そしてテクノロジ、つまりITをビジネスの武器と考えて実装に着手している。日本企業には、このことを重々念頭に置いてほしい」(松原氏)。

 今回の提言内容の詳細は、11月28日~30日に同社が東京で開催するイベント「Gartner Symposium/ITxpo 2007」の講演で公開するという。