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積水化学の寺嶋一郎コーポレート・情報システムグループ長
積水化学の寺嶋一郎コーポレート・情報システムグループ長
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 「今のITベンダーはプログラミングを軽視しすぎている。全員がプログラマでありSEでなければ企業が喜ぶシステムは作れない」。積水化学の寺嶋一郎コーポレート・情報システムグループ長(写真)は、11月27日に開催した「IT Service Forum 2007」の講演「ITベンダーに望むこと」で、ITベンダーにこう苦言を呈した。

 「システム開発でどんな技術や開発手法を使うかはアーキテクトが決める。経験上、良いアーキテクトが設計すると、開発と運用のコストを段違いに削減できる。良いアーキテクトとは、業務とプログラミングをよく知っている技術者だ」と寺嶋グループ長は話す。だが、今は「プログラミングを知らないSEが“売らんかな”でツールやパッケージの導入を目的に設計し、オフショア開発などで業務の分からないプログラマが実装している」(同)

 この状況を改善する策として寺嶋グループ長は「内作型開発モデル」を提唱する。「完全な設計はあり得ないという前提のもと、要件定義から実装まで、全員がSEでありプログラマである技術者集団が担当する」方法だ。また文書だけに依存せず最終的にはソースを読むようにするという。

 「すべての技術者が企業の反応を直接知ることができる。創造的な作業であるソフト開発の醍醐味を味わえるのでモチベーションも低くならない」(寺嶋グループ長)。同氏はさらに「こうした事を繰り返すなかで、良いアーキテクトが生まれる。アーキテクトは育てようと思って育つものではない」と加える。

 内作型開発モデルでも当然、企業の要望を理解する必要がある。寺嶋グループ長は「真の要望をとらえるためにはただ聞くだけではだめ。いろいろな角度から吟味すべきだ。これがシステム開発の要のはずだが、ここをコンサルタントに頼りすぎている」と話す。

 企業の要望をとらえるという点ではベンダーだけではなく、情報システム部門にも苦言を呈した。「ベンダーに頼り切るのではなく、経営や業務部門にITを分かりやすく説明し、それぞれの立場で企画をして設計するように働きかけるのは、情報システム部門がすべきことだ」と結んだ。