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写真●米ガートナー リサーチのマシュー・ホトル アプリケーション バイス プレジデント兼最上級アナリスト
写真●米ガートナー リサーチのマシュー・ホトル アプリケーション バイス プレジデント兼最上級アナリスト
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 「企業の情報システム部門は本当に一生懸命業務に取り組んでいる。しかしそれを一旦やめて,今後の方向性を考えることも必要だ」――。米ガートナー リサーチ アプリケーション バイスプレジデント兼最上級アナリストであるマシュー・ホトル氏は,11月28日から3日間開催されている「Gartner Symposium/ITxpo 2007」の講演で,このように訴えた(写真)。「アプリケーションに関わる業務全体でバランスをとり,どこにどれだけのリソースを配分するかを考えるべきだ」。

 「現状の企業では,ITマネージャーが日々の業務に多く関わる傾向がある。そのような業務は部下に任せ,むしろ戦略立案や,アプリケーションの評価・見直しなどに力を入れるべき」とホトル氏は指摘する。そのためには,アプリケーションを取り巻く現状を把握する必要があるという。

 ホトル氏が注目する,アプリケーションのトレンドは4つ。1つめは,テクノロジーの進化である。「BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)やEDA(イベント駆動アーキテクチャ)などの考え方が広がり,技術のための技術ではなく,ビジネスのための技術になりつつある。ITとビジネスの境界線が薄くなってきた」(ホトル氏)。

 2つめは,デリバリ・モデルである。「アプリケーションは,自社開発すべきか,パッケージを使うべきか,という議論は依然としてあるが,それに加えて,アウトソーシングやSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)といった新しいモデルが登場している」(ホトル氏)。

 3つめは,Web2.0などの新技術。ホトル氏は,「Web2.0のマッシュアップは,“ITのヒップホップ”と考えればわかりやすい」と説明。「いろんな音楽を取り込んで新しい音楽に仕上げる点は,マッシュアップの考え方に近い。試行錯誤は続いているものの,Web2.0と呼ばれる技術は徐々に洗練されてきた」とみる。

 4つめは,ビジネスの変化が加速化していることだ。昔は,変化の間に安定期があったが,今後はビジネスは常に変化し続ける。アプリケーションに関する業務には,より俊敏性の高い技術や手法が必要になるという。「特に,アプリケーションの再利用を指向するべきだろう」(ホトル氏)。

 これらのトレンドを踏まえながら,自社のアプリケーション開発・運用状況を評価する。ホトル氏は,そのための指標の例としてCMMI(能力成熟度モデル統合)を挙げる。「アプリケーションを開発・運用する上での成熟度を評価する指標の1つ。必ずしも最高レベルを目指す必要はない,組織としてのバランスを考慮しながら,全体的なレベルを高めるのがよいだろう」(ホトル氏)と述べた。