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 2007年12月27日に開催された総務省の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」(情報通信審議会 情報通信政策部会の下部組織)において,いわゆる「ダビング10」に関する検討の進捗状況が,地上デジタル放送推進協会(Dpa)の技術委員会委員長であるフジテレビジョンの関祥行氏から報告された。ダビング10は,地上デジタル放送などに適用されている現行のいわゆる「コピーワンス」に替わるものとして同委員会がまとめたコピー・ルールであり,HDD内蔵録画機からDVDなどへのダビング回数を10回(コピーが9回+ムーブ1回)にしようというものである。

 既にダビング10については2008年6月をメドに導入することを目指して準備が進められていることが報告されている。今回の委員会ではこのスケジュールを前提にダビング10の仕様を,1月中をメドに策定する方向で準備が進んでいることが報告された。ダビング10の仕様策定は,Dpaで地上デジタル放送の運用規定を見直す形で行われており,既に第一次案を作成しているという。今後,メーカーなどとの協議を経て,少なくとも2008年1月末には仕様策定作業を終える計画。また,運用開始日についても,デジタル放送の送出設備の改修作業時期などを見定めた上で1月中には明確にする方針である。

 ダビング10の導入に当たっては,2ビットしかないCCI情報(デジタルコピー制御記述子)は既に利用済みであるため,「コンテント利用記述子」の拡張部分を使ってダビング10かどうかを記述することになっている。このビットを現行のまま反転させない方向で仕様の検討が進んでいる模様であり,地上デジタル放送の設備は現行のままで,ダビング10になる。ただし,WOWOWなどの有料放送事業者が提供する番組もダビング10になってしまうため送出設備を改修する必要が出てくる。この送出設備の改修が間に合わない状態でダビング10の運用を開始すると3波対応HDD録画機ではWOWOWなどの番組も自動的にコピーが複数回可能になる。このため,運用開始日をきっちりと決める必要があるという状況だ。

ダビング10の凍結論も飛び出す

 質疑応答では,権利者側の委員から,ダビング10の運用を凍結すべきではないか,という意見も飛び出した。実演家著作隣接権センターの椎名和夫氏は,「ダビング10の前提条件は,クリエータへの適正な対価の還元である。これに対して,電子情報技術産業協会(JEITA)は不必要と主張しており,この問題が解決しない限り,ダビング10の実施は凍結すべき」と主張した。文化庁の私的録音録画小委員会におけるJEITAの主張を非難するものだが,今日の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」では,これ以上の凍結に関する賛否の議論は行われず,その他の委員からも関連する発言は特に無かった。