検索エンジン大手のファスト サーチ & トランスファが、マイクロソフトに買収されることになった。マイクロソフトがファストの株主に対して買収提案したもので、1株当たり19ノルウェー・クローネを提示した。これは1月4日の終値を42%上回る金額である。買収総額は12億米ドルに達する。ファストの幹部も、この買収提案を歓迎している。
ファストにとっては、マイクロソフトによる買収によって顧客を広げられる期待がある。マイクロソフトも検索エンジン「Search Server」および、検索機能を包含する情報共通ツール「SharePoint Server」を持っていたが、ファストの技術を加えることで、企業内検索分野を強化する。ファストの買収には、欧州地区における研究開発の人員強化の狙いもあるようだ。
ファスト サーチの検索エンジン「FAST ESP」は、ダイナミックドリルダウンと呼ぶ、検索結果の分析によるキーワード別の自動分類機能や、ユーザーごとのカスタマイズ化といった特徴がある。国内ではJAL(日本航空)、カカクコム、ミサワホームなどに導入実績があるほか、楽天とはモバイル検索の合弁会社を設立、NTTデータとは企業内検索で協業している。