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 ワッセイ・ソフトウェア・テクノロジーは,ディスクを搭載しないパソコンからネットブート方式でWindows XPなどのクライアントOSを利用できるようにする基盤ソフト「Phantosys」(ファンタシー)を,2月に販売開始する。システム管理者がクライアントOSとユーザーを一元集中管理できるほか,共通のOSイメージを複数端末(ユーザー)で共用することでディスク領域の節約になる。価格は,1クライアントあたり2万8000円(税別)から。開発会社は,台湾ARGtek Communication。

 Phantosysは,ネットワーク・ブート方式でWindows系のクライアントOSを利用できるようにするための基盤ソフトである。ディスクを搭載しないパソコン上でWindows XPやVistaを動作させられる。ソフトウエア構成は,OSイメージ・ファイルやユーザー設定情報などを集中管理するサーバー・ソフトを中核に,サーバー・ソフトから配信し,クライアントPC上で動作しサーバー上のOSイメージをディスク・ドライブとしてアクセスできるようにする仮想ディスク・ドライブ・ソフトなどを含む。

 クライアントPCを使うエンドユーザーからみた利用イメージは以下の通り。クライアントPCの電源を投入すると,パソコン標準のネットワーク・ブート機能であるPXEブートを用いてPhantosysのブート・プログラムをダウンロード/実行する。ブート・プログラムにはCIFSネットワーク・マウントしたディスク領域をローカル・ディスク・ドライブに見せかける仮想ディスク・ドライブ機能が含まれており,こうしてローカル・ディスクと見せかけたサーバー上のOSイメージ・ファイルからWindows XPなどのクライアントOSをブートする。こうやって起動したクライアントOSは,普通のパソコンと同様,ユーザーごとに自由に設定を変更しながら利用できる。

 これに対して,サーバー側では,接続してきた個々のユーザー端末に対して,ユーザー端末ごとのOS設定に基付くOSイメージを仮想ドライブとして提供する。ただし,個々のユーザー端末ごとにOSイメージを端末分別個に用意する必要はない。単一のOS設定プロファイルを複数ユーザーで共用することにより,OSイメージを格納する物理ディスク領域を削減できるようになっている。

 単一のOSプロファイルに複数ユーザーをヒモ付けられるだけでなく,OSプロファイルもまた他のOSプロファイルとの間でOSファイルを共用できる。具体的には,例えば,1階層目として「Cドライブ」の中に「Windows XP」と「Windows Vista」のカテゴリを作り,2階層目としてWindows XPカテゴリの中に「グラフィックス・カードA」と「グラフィックス・カードB」のカテゴリを作り,3階層目としてグラフィックス・カードAカテゴリの中に「社員A」と「社員B」のカテゴリを作る,といった運用になる。ここで,社員Aプロファイルに10人,社員Bプロファイルに20人のユーザーをヒモ付け,それぞれのプロファイルに応じたOSイメージを提供するといった運用が可能になる。

 OSの起動イメージをプロファイルとして複数ユーザーで共用するものの,ファイルの作成やアプリケーションのインストールといった更新系のオペレーションの結果を,ユーザー個別の設定として保存しておくことは可能である。例えばネットカフェなどの用途では電源を投入し直すことによって前回起動した時と同じ状態を復元する運用が可能だが,企業向けでは,電源を切っても更新内容が保存されるようにできるというわけだ。これは,複数ユーザーで共用するプロファイルをベースとしつつ,ユーザーごとの設定やファイルを差分として保持できるからである。

 Phantosysのサーバー管理者の日々の運用は,個々のOS設定プロファイルの作成/更新やユーザー管理(作成/削除,MACアドレスの登録,プロファイルとのヒモ付け,ユーザー個別設定の削除など)といった作業になる。プロファイルとなるOSイメージの更新管理を一元化できるため,エンドユーザーは,Windowsのパッチを適用したり,業務アプリケーションをインストール/バージョン・アップするといった更新作業が要らなくなる。