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 2007年秋に日本の家電市場から撤退した韓国サムスン電子だが,「2008 International CES」でも最大規模を誇る同社のブースを見れば,日本撤退が惜しく感じられるだろう。同社がCES2008で展示する「日本では買えない凄い製品」を,写真や動画で紹介しよう。

 サムスン電子が携帯電話機や液晶テレビだけでなく,世界のレーザー・プリンタ市場でもシェアを急拡大しているのをご存知だろうか(2007年は世界2位)。そのサムスンが2007年9月に発売して,世界中のプリンタ・メーカーの度肝を抜いたのが,厚さが12cmで同社が「ピアノ・ブラック」と呼ぶ黒色の光沢を放つモノクロ・レーザー・プリンタ「ML-1630」(写真1)と,同様のデザインで厚さが16.5cmというレーザー複合機「SCX-4500」(写真2)。

写真1●厚さが12cmというモノクロ・レーザー・プリンタ「ML-1630」   写真2●厚さが16.5cmのレーザー複合機「SCX-4500」
写真1●厚さが12cmというモノクロ・レーザー・プリンタ「ML-1630」
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  写真2●厚さが16.5cmのレーザー複合機「SCX-4500」
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 実は両製品のデザインは「米Appleのお墨付き」で,これらは現在「Apple Store」の「専売モデル」となっている。価格は複合機が299.95ドル(Apple Store),単体プリンタが199.95ドルと,非常に安い。記者も実物を今回初めて見たが「サムスン侮りがたし」の思いを強くした。

必勝パターンの「ピアノ・ブラック」

写真3●ピアノ・ブラックを採用したパソコン用液晶モニタ
写真3●ピアノ・ブラックを採用したパソコン用液晶モニタ
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 実は,同社が「ピアノ・ブラック」と呼ぶ光沢を放つ黒色のデザインは,サムスンの製品にとって「必勝パターン」にすらなっている。同社がピアノ・ブラックを採用して大成功を収めた製品の代表格が液晶テレビだ。CES 2008の会場でも,ハイアールをはじめとする多数の中国メーカーが,黒光りする液晶テレビの陳列に余念が無かった。彼らが追いかけている背中は,サムスンだけのようだ。

 サムスンは,ピアノ・ブラックをほかの製品ジャンルにも広げている。ブースで気になったのは,写真3のパソコン用液晶モニタ。プリンタや複合機と同様,あまり製品デザインが問われてこなかったパソコン用液晶モニタにも,デザイン優先型製品の足音が迫っている。

写真4●USB接続の液晶ディスプレイ「SyncMaster 940UX」
写真4●USB接続の液晶ディスプレイ「SyncMaster 940UX」
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 日本の家電市場から撤退したサムスンだが,パソコン用液晶モニタは日本でも販売を続けている。よって,パソコンにグラフィックス・ボードを追加しなくても,最大6台の液晶ディスプレイを“USB経由”で接続できるという「SyncMaster 940UX」(写真4)は,日本でも購入可能であるし,写真3のようなピアノ・ブラック液晶モニタを購入できるようになるかもしれない。


HD動画も撮影可能な広角24mmレンズ搭載コンパクト・デジカメ

 ここまで読んで,サムスンのことを「コモディティ商品を,デザインと安さで売るベンダー」と考えるのは大きな間違いだ。デジタル・カメラのような日本メーカーが極めて強い製品分野でも,「日本メーカーがまだ出していないような高スペック製品」をリリースし始めている。

写真5●HD動画も撮影できる広角デジカメ「NV24 HD」
写真5●HD動画も撮影できる広角デジカメ「NV24 HD」
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 写真5は,サムスンが2008年3月に米国で発売する予定のコンパクト・デジタル・カメラ「NV24 HD」である。NV24 HDは,1000万画素のCCDや,35mmフィルム・カメラ換算で広角24mmから始まる3.6倍ズーム・レンズを備え,1000万画素の静止画だけでなく,720p(1280×720ピクセル)のHD(高精細)動画が撮影できるというハイエンド・デジタル・カメラだ。

 広角24mmからのズーム・レンズを搭載するコンパクト・デジタル・カメラや,HD動画を撮影できるデジタル・カメラは日本メーカーからもリリースされているが,両方の特徴を備えた製品はまだ無い。しかもNV24 HDの価格は,349ドルである。

 NV24 HDに関しては,そのユーザー・インターフェース(UI)にも注目すべきだろう。サムスンは現在,コンパクト・デジカメに「SmartTouch」という新しいデジカメUIを実装している。まずはSmartTouchの動画を見ていただきたい。

動画●コンパクト・デジカメに搭載されている「SmartTouch」

 コンパクト・デジカメのUIといえば,液晶ディスプレイの脇に十字キーと決定ボタンがあり,その周囲にさまざまなアイコンが描かれたボタンが配置されているのが一般的だ。しかしサムスンのSmartTouchは,液晶ディスプレイの下と右に,無刻印の小さなボタンが並んでいるだけである(写真6)。

写真6●ボタンの機能が液晶ディスプレイに表示される「SmartTouch」
写真6●ボタンの機能が液晶ディスプレイに表示される「SmartTouch」
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 このボタンは非常に高感度で,ユーザーがボタンに触れると,液晶ディスプレイにそのボタンの機能を示す文字やアイコンが大きく表示される。ボタンを押すと,その機能の各種設定が液晶ディスプレイに表示されるので,ユーザーは反対側のボタンに指をスライドさせながら,設定を選択するのだ。

 タッチパネルは使用していないが,指をスライドさせて機能を選択できるという点で,タッチパネルを使うのに極めて似た操作感が実現している。「iPodを触るのに似た操作感」と表現すると,感覚が伝わるだろうか。

メディア・センターPCのコンテンツをTVで閲覧

 最後にもう1つ,サムスンが日本メーカーの「先を越した」製品を紹介しよう。1月7日(米国時間)に行われた米MicrosoftのBill Gates会長の基調講演で発表された,メディア・センターPCのコンテンツをネットワーク経由でテレビに表示できる「Extender for Windows Media Center」(写真7)である。

 写真8がExtender本体である。従来,メディア・センターのExtender機能は,Xbox 360だけに搭載されていたが,サムスンのExtenderはXbox 360よりもずっと小型で,動作音も小さい。

写真7●Windows Vistaの「メディア・センター」の画面が,パソコン無しで表示されている   写真8●サムスンのExtender for Windows Media Center
写真7●Windows Vistaの「メディア・センター」の画面が,パソコン無しで表示されている
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  写真8●サムスンのExtender for Windows Media Center
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 日本メーカーも,テレビ放送やDVDなどのパッケージ・メディア以外のコンテンツ(オンライン・コンテンツやデジカメ写真など)をテレビで再生するために,DLNA機能を搭載したり,メモリー・カード・スロットを搭載したりと様々な手を尽くしている。しかし,Windows Vista Home Premiumの普及と共に家庭に浸透し始めているメディア・センターの画面を転送できるExtenderを採用しているメーカーは,まだない。

 Extender for Windows Media Centerの競合製品は,Appleの「Apple TV」やソニー・コンピュータ・エンタテインメントの「Playstation 3」である。こういった分野にもサムスンが参入している現状が,日本市場だけを見ていては分からなくなってしまったのは,日本のユーザーにとっても残念なことだろう。