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 東京大学とサン・マイクロシステムズは1月10日,産学連携共同研究のテーマを決定し,具体的な研究開発に着手したと発表した。テーマは「RubyとJRubyでのマルチVirtual Machine(MVM)環境の実現」および「Fortress上でのスケルトン並列プログラミング手法に基づいたライブラリ開発」の2つ。成果はオープンソース・ライセンスに基づき公開される予定。

 「RubyとJRubyでのMVM環境の実現」は,東京大学 大学院情報理工学系研究科 竹内郁雄教授のグループと、米Sun MicrosystemsのDirector of Web Technologies ティム・ブレイおよびJRubyのメンバーとの間で行われる。Ruby 1.9の標準VMであるYARVを開発した笹田耕一氏も東京大学 大学院情報理工学研究科に特任助教として在籍している。

 通常,Rubyで複数アプリケーションを実行すると複数のインタプリタを起動するが,この研究では1つのインタプリタ上に複数のVMインスタンスを生成することで,複数のアプリケーションを効率的に実行できるようにすることを狙う。

 「Fortress上でのスケルトン並列プログラミング手法に基づいたライブラリ開発」は,東京大学 大学院情報理工学系研究科 武市正人教授および胡振江准教授のグループと,米Sunの研究機関Sun Labsのガイ・スティール博士のグループとの間で行われる。

 FortressはSunが開発したHPC(High Performance Computing,大規模並列科学技術計算)向け言語。スケルトン並列プログラミング手法とは,並列計算機構を抽象化してスケルトンと呼ばれるプログラムの部品として定義することで,複雑な通信といった並列性を意識させずにスケーラブルなプログラミングを可能にしようとする手法。
 
 共同研究開発の期間はどちらも2009年9月末までで,サンは当初1年間分の予算としてそれぞれのテーマに対し10万ドルを拠出する。またどちらも成果はOSI(Open Source Initiative)準拠のオープンソース・ライセンスに基づき公開される予定という。

 東京大学ではProprius21と呼ぶ枠組みでの産学連携共同研究を実施しており,今回の共同研究は外資IT企業米国本社との間で行われた最初の事例になるという。