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審議結果を発表する川端和治委員長(左)と上滝徹也委員(右)
審議結果を発表する川端和治委員長(左)と上滝徹也委員(右)
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 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は2008年1月21日,フジテレビジョンが過去に放送した番組に関する審議結果を公表した。審議の対象になっていたのは,フジテレビが2007年7月28日に放送した「FNS27時間テレビ」のコーナー企画「ハッピー筋斗雲」の内容である。意見書で検証委員会は,番組制作上の倫理違反があったと述べ,フジテレビに対して3カ月以内に検討結果を報告するように要請した。

 検証委員会が審議の対象にした今回の事案は,悩んでいる人や困っている人,人知れず素晴らしい活動を行っている人などを番組内で紹介し,出演者がその人たちに内緒で行動して元気付けることを目的にしたコーナー企画である。その対象者の1人に選ばれたのが,秋田県で美容院を経営する女性だった。彼女は中越地震の被災者やいじめ問題で苦しむ学校関係者などに,手紙とともに亡き父親の名前を付けた「十郎りんご」を無料で送って励ましていた。

 この女性経営者に架空の講演会での講演を依頼して上京させ,りんごを無料で送ることで美容院の経営が苦しくなっているとされる女性経営者を元気付ける有名人として,スピリチュアルカウンセラー(霊能師)の江原啓之氏を選んだ。番組では江原氏が霊視を行い,女性経営者の亡き父親の言葉を聞かせた。こうした番組内容について検証委員会は意見書で,(1)非科学的なスピリチュアルカウンセリングを前面に押し出し,女性経営者を利用した,(2)女性経営者をだましてカウンセリングを受けさせた,(3)十分な裏付けを取らずに美容院を経営難と断定した──といった点が番組制作上の倫理に違反するとした。