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 米Skycrossは米国時間の2008年1月28日,1本のアンテナでダイバーシティ受信や「MIMO」(multiple-input multiple-output)通信を可能とする技術を開発したと発表した(発表資料)。1本のアンテナに複数のフィードポイントを用意することで,複数本のアンテナを用意したときと同等の信号を,十分な効率とアイソレーション(分離)性能を維持した形で得ることができるという。同社はこの技術を「iMAT」と名づけた。既に,詳細を説明したホワイトペーパーも用意している(こちら)。

 MIMO通信は,送受信用に複数本のアンテナを用意することで,空間中の異なる経路(パス)を通る形での電波の送受信を可能にしようというものである。空間中の異なるパスを電波が通るため,同じ周波数帯域を使いながら異なるパスを使って例えば異なるデータを送信でき,通信速度を大幅に向上させることができる。携帯電話における3.9G(第3.9世代移動通信システム,LTEやUMBなど),無線LANにおけるIEEE 802.11nなどで採用されている。さらにモバイルWiMAXでも次世代はMIMO技術の採用が見込まれている。ダイバーシティ受信は,同じ信号を異なるアンテナで受信するもので,受信信号を合成したり,最も受信状態のよいものを選択したりして通信品質を高める技術である。

 複数アンテナの利用は,無線通信の高度化に欠かせない技術であるが,実装面積が大きくなるという課題があった。複数のアンテナを,ある程度の間隔を空けて設置する必要があるためである。携帯電話機など小型化への要求の大きい端末では,このアンテナの実装面積をいかに小さくするかが,競いどころになるとみられている。アンテナ1本で複数本のアンテナと同等の信号を得ることができれば,こうした小型化競争に一石を投じることになりそうだ。