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写真1●電波をビジュアルに可視化するリアルタイム・スペクトラム・アナライザ「RSA6100Aシリーズ」
写真1●電波をビジュアルに可視化するリアルタイム・スペクトラム・アナライザ「RSA6100Aシリーズ」
手前の白い棒は2.4GHz帯用のアンテナ。
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 Bluetoothの通信が無線LANの電波を徐々に避けてゆく様子がハッキリと見られる---。計測機器を開発する日本テクトロニクスは,東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2008」でこのようなデモを披露している(写真1)。

 同社は電波の可視化製品「RSA6100Aシリーズ」を展示。これはリアルタイム・スペクトラム・アナライザと呼ばれる機器で,周波数ごとの電波の強さをリアルタイムで表示するもの。RSA6100Aシリーズは「従来の機器よりも1000倍細かく分析できるので,これまで見えにくかった電波も容易に可視化できる」(日本テクトロニクスの説明員)。分析可能な周波数帯は9kHz~14GHzで,同時に最大110MHzの幅を可視化できる。

 Bluetoothは「ISMバンド」と呼ばれる2.4GHz帯の中で,利用する周波数を頻繁に変えながら通信を行う。これは電波干渉の影響を低減するための「周波数ホッピング」と呼ばれる仕組みだ。

 IEEE802.11b/g規格の無線LANも同じISMバンドを使う。このためBluetoothと無線LANを同じ場所で同時に使うと互いの電波が干渉するが,干渉が発生するとBluetoothは無線LANが使う周波数帯を徐々に避けながら周波数ホッピングするアルゴリズムを備える。この様子がRSA6100Aシリーズを使えば明瞭に可視化されるのである(写真2-1,写真2-2,写真2-3)。

写真2-1●Bluetooth機器の電波の様子   写真2-2●Bluetooth機器の近くで無線LANを使い始めたときの電波の様子   写真2-3●Bluetoothの周波数ホッピングによる干渉回避の様子
写真2-1●Bluetooth機器の電波の様子(左)
青い線で描かれた細長い多数の山がBluetoothの周波数。高速に周波数ホッピングをするので,複数の山が同時に見える。
写真2-2●Bluetooth機器の近くで無線LANを使い始めたときの電波の様子(中)
真ん中の赤色が目立つ台形型の部分が無線LANの電波。この状態では無線LANとBluetooth(多数の細長い青い山)の一部の電波が干渉を起こしている。
写真2-3●Bluetoothの周波数ホッピングによる干渉回避の様子(右)
しばらくするとBluetoothの電波(多数の細長い青い山)が無線LANの周波数(赤色が目立つ台形型の部分)を完全に避けながら周波数ホッピングし始めた。
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写真3●2GHz帯付近の周波数の様子
写真3●2GHz帯付近の周波数の様子
左側の小さな複数の山がPHS。右側のやや大きめの山がFOMAだと思われる。
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 デモでは,ISMバンドのほかにも,2.1GHz帯でNTTドコモのFOMA携帯電話機が基地局と通信する様子や,1.9GHz帯を使うPHSの通信もわかりやすく表示している(写真3)。

 日本テクトロニクスによると,RSA6100Aシリーズの電波可視化技術は特許取得済み。2007年1月に出荷を開始し,通信機器メーカーなどが導入している。価格は900万円から。


動画1●周波数ホッピングで通信しているBluetoothのそばで無線LANが通信を開始すると,徐々にBluetoothが無線LANの周波数帯を避けていく様子がはっきりわかる
動画2●付近で照射されているWiMAXの電波の様子。アナライザのアンテナの周りに手をかざすだけで電波状況がすぐに変化する点がよくわかる

[お詫びと訂正]初出の記事では,価格を「800万円程度」としていましたが「900万円から」に修正いたしました。