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 総務省は,フェムトセル方式による超小型基地局設備の活用に向けて,「フェムトセル基地局の活用に向けた電波法及び電気通信事業法関係法令に関する取り扱い方針」の案を示した(発表資料)。電気通信事業法関連法令については,事業用電気通信設備に関するものが中心となっている。2008年3月10日を期限に,今回の案に対する意見の募集も始めた。

 電波法関係法令では,(1)移設・復旧のための簡易な操作によるフェムト基地局の運用を,免許人以外の者が行うことができるようにして,そのための手続きを整備する,(2)免許人以外の者がフェムトセル基地局を運用させる場合の免許人の監督責任と運用を行うものの運用責任とを明確にする,(3)同基地局について無線設備の設置場所の範囲を柔軟化するともに,移設・復旧のための簡易な操作を主任無線従事者による監督を受けることなく同従事者以外のものが行うことを可能とする,(4)これらの整備制度に合わせて技術基準の改正などの対応を行う,などとしている

 電気通信事業法関係法令では,フェムトセル基地局を携帯電話事業者の設備(事業用電気通信設備)として用いる形態と,売り切りとする形態について,各々提案している。

 事業用電気通信設備については,回線利用関係としてフェムトセル基地局を利用者宅内に設置する設備構成として,例えば(1)フェムトセル基地局をコアネットワークと接続するために利用者契約回線であるブロードバンド回線を利用する形態,(2)当該ブロードバンド回線とフェムトセル基地局を接続するため利用者が宅内に設置する既設回線を利用する形態,が想定されるが,いずれも電気通信事業法上禁止されるものではないと明記するなどした。

 技術基準については,「通話品質など」,「予備機器/耐震対策/停電対策など」といった項目について考えを示した。通話品質については,QoSなどにより帯域およびパケットの優先度を確保する方法をとるなどしてこれまで利用者に提供されてきたサービスに比較して品質などを低下させないようにする必要があるとしている。予備機器/耐震対策/停電対策については,事業用電気通信設備を利用者の建物内などに設置する場合に,適用除外とした。なお,総務省は「予備電源を必要としない携帯電話の基地局など条件の基本的な考え方」を別の発表として行っている(発表資料)。緊急通報位置情報通知についての技術基準に関わる義務規定は,通常の基地局方式と同様に,フェムトセルについても適用する。

 その他の項目としては,例えば喫茶店など不特定多数のものがフェムトセル基地局を利用する形態は,基地局を接続するブロードバンド回線について,ISPとの利用契約約款において,契約者以外の第三者に当該回線を利用させることを禁じられていないことなど,利用契約約款に適合したものであることを求めている。携帯電話に関わる端末系伝送路設備を識別するための電気通信番号としては「080/090」を使用できるとした。

 禁止行為等規定適用事業者(電気通信事業法30条第1項の規定により指定)は,フェムトセルと接続するブロードバンド回線について,技術面での合理的な理由なく特定の電気通信事業者の回線に限定するなどの不当な差別的取扱いを禁止した。

 利用者の設備(売り切り)については,「今後端末設備等規則をはじめとする関係法令の整備を行い,通話品質が損なわれることがない形態によるフェムトセル基地局の売り切り制度を実現する」という表現にとどまった。