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 米Yahoo!の取締役会は「当社の価値は446億ドル以上ある」と主張し,予想通り米Microsoftから出されていた買収提案を正式に拒否した。2008年2月9日(米国時間)の取締役会でこの件を議論し,提案を受け入れないという内容の書簡を2月11日にMicrosoftへ送ったのだ。Microsoftはこの書簡に対するコメントをまだ出していないが,2月第2週末の時点で情報は漏れてしまった(関連記事:「著しい過小評価」,Yahoo!がMicrosoftの買収提案を拒否)。

 Yahoo!の提案拒否は予想されていたが,今後の展開はよく見えない。Microsoftが買収金額を50億~120億ドル程度上げる,という見方が多い。これに対し,Yahoo!は560億ドル弱を狙っているとの報道がある。もっとも,Yahoo!がMicrosoftによる買収を遅らせると,株主から反発を受けてしまう。何年も赤字に痛めつけられたYahoo!株主は,多くがMicrosoftの買収提案によって起きた株値上昇でもうけたいと考えている。Yahoo!の株主は,この3カ月だけで200億ドルもの損害を被ったのだ。

 Microsoftには,魅力的な買収実現方法もある。Yahoo!の株主に買収を直接働きかけ,無理やり取締役会を手中に収めることが可能なのだ。ただし,強引な手段をとると反感を買い,Yahoo!の重要な幹部,技術者,その他従業員の大量離脱を招いてしまう。こうした人々の価値がYahoo!を買収する目的でもあるので,Microsoftは強攻策をとらないだろう。

 Yahoo!は2月第2週,パートナ企業のみならず米Googleなどのライバル企業にも接触し,Microsoftの買収提案に対抗できる策を模索していた。ところが,乗ってくるライバルは現れなかった。買収金額を考えれば当たり前の話だ。ただ1社,買収阻止可能な資金を持つGoogleは,独占禁止法に触れる疑いがあるためYahoo!に手を差し伸べにくい。また,Yahoo!が米AOLやGoogleなどの企業と提携しても,Microsoftの提案を受け入れるほどのメリットがない。