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表●「中小企業IT経営力大賞」の受賞企業一覧
表●「中小企業IT経営力大賞」の受賞企業一覧
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 経済産業省は2008年2月12日、経営にITを生かしている中小企業を表彰する「中小企業IT経営力大賞」の受賞企業を発表した。応募数429件の中から経済産業大臣賞や日本商工会議所会頭賞など22件が選ばれた。さらに、IT経営レベルが高い139社を「IT経営実践認定企業(組織)」として認定した。

 受賞企業のIT活用で共通していることは、企業価値を高める方策を顧客視点で考え、その部分を強化するためにITを生かしている点だ(表)。「単にコスト削減のために業務を合理化したり省力化したりするのではない。顧客満足度を高める経営戦略とIT戦略を、しっかりと結びつけている」と、審査委員長の伊丹敬之 一橋大学大学院教授は評価する。

 経済産業大臣賞を受賞した3社を見ると、いずれも納期短縮や多品種少量出荷、顧客応答力強化など、競合他社との差異化を打ち出すために情報システムを活用している。例えば、トラック車体製造の東洋ボデー(東京都武蔵村山市)は、受注から生産・納品までの業務フローを一元管理するシステムを構築し、受注生産体制を強化。従来は1社専属の下請け業だったが、現在では6社から受注できるまで自立した。

 同じく経産大臣賞を受賞した八幡ねじ(愛知県北名古屋市)は、10万種類あるネジを1本単位で出荷できるシステムを独自開発し、多品種少量出荷を実現。化粧品製造販売のヤマサキ(広島県広島市)は、顧客対応能力を1日あたり600件から1500件に高めたり、配送会社とのシステム連携により1000件あたりの出荷時間を15時間から5時間に短縮したりすることで、顧客対応力を大幅に強化した。

 中堅・大企業に比べると、中小企業はITに費やせる経営資源(ヒト・モノ・カネ)は少ない。しかし、「その分を“知恵”と“工夫”でカバーしている」と伊丹審査委員長は強調する。「ありきたりのIT活用ではなく、10社あれば10通りのIT活用がある。大企業が参考にすべき点は多い」(同)。受賞企業の概要は、同省のWebサイトで公開している。
 
 経済産業省は2月21日に、IT経営力大賞の表彰式を実施する。さらに中小企業のIT活用に促進するため、同省は来年度中に受賞企業の事例や、応募企業におけるIT活用内容のを分析結果などを公開する計画だ。