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写真●決算を発表するアッカ・ネットワークスの木村正治社長
写真●決算を発表するアッカ・ネットワークスの木村正治社長
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 アッカ・ネットワークスは2008年2月14日,2007年12月期(2007年1月1日~12月31日)の決算を発表し,新たにワイヤレス・ブロードバンド事業を展開する方針を打ち出した。「ADSL中心のビジネスによる成長はかなり厳しい。法人向けの光サービスを強化することで足元を固め,ワイヤレス・ブロードバンド事業を新規に立ち上げることで中長期の成長を図っていく」(木村正治社長,写真)考えである。

 ワイヤレス・ブロードバンド事業は,(1)HSDPA(high speed downlink packet access),(2)PHS,(3)無線LAN,(4)モバイルWiMAXの4種類に取り組む。(1)は,MVNO(仮想移動体通信事業者)としてNTTドコモから無線設備を借りることで参入する。同日,NTTドコモとの間で基本合意に達したことを明らかにした。法人ユーザーを主な対象にHSDPAのデータ通信サービスを2008年半ばに開始する予定である。

 (2)と(3)はADSLやPHS,公衆無線LANを組み合わせた“ブロードバンド・マルチアクセス・サービス”の提供を予定する。ウィルコムやNTTコミュニケーションズと共同で,ADSLやPHS,公衆無線LANサービスを組み合わせたパッケージを販売し,同一IDによるローミングや,異種サービス間のシームレス連携などを検討するという。無線LANに関してはトリプレットゲートと共同で公衆無線LANの実験やマーケティングを実施する予定で,アッカ自身がアクセス・ポイントを設置することも検討する。

 (4)は,固定系地域バンド(関連記事)を利用したモバイルWiMAX事業に参入するCATV事業者向けに,コンサルティングを開始する。モバイルWiMAXの実証実験などで得た経験を生かし,免許申請の支援や課金システムの提供などを検討している。「既に数社と話をしている」(木村社長)という。さらに移動系全国バンドを取得したワイヤレスブロードバンド企画から無線設備を借り,アッカ自身がサービスを提供したり,固定系地域バンドの事業者とローミングしたりすることも考えている。

 これらの取り組みでワイヤレス・ブロードバンドを幅広く展開し,「2010年に売上高を60億~70億円程度上乗せしたい」(木村社長)と抱負を述べた。

 2007年12月期決算の概要は以下の通り。売上高は対前年度比9.7%減の350億7900万円,営業利益は同5.9%増の19億9100万円,経常利益は同0.1%増の19億900万円。厚生年金基金の代行返上などによる特別利益として7900万円,WiMAXの事業計画の中止などによる特別損失として5億4800万円を計上した。木村社長は決算の数字に対し,「光へのシフトでADSLの売り上げを伸ばすのは厳しい状況。その中で計画以上の営業利益を達成できたという意味では堅調な進展が遂げられた」(同)と総括した。

イー・アクセスの提案は「企業価値の向上策が見えない」

 決算発表後の質疑応答では,筆頭株主のイー・アクセスが要求している取締役の退任(関連記事)に関する質問が相次いだ。木村社長はイー・アクセスの要求について「提案は役員の交代だけ。企業価値の具体的な向上策ではない」と反対の姿勢を改めて強調した。「事業構造の改革や企業価値の向上につながる具体的な提案であれば是非検討したい」とする。他の法人株主には今後の方針について説明しており,「新規事業についてご理解をいただいている」(同)とコメントした。

[発表資料1(MVNOでNTTドコモと基本合意)へ]
[発表資料2(ウィルコム,NTTコミュニケーションズとの共同検討)へ]
[発表資料3(決算短信,PDF)へ]