PR
写真1●ラック前面の扉に取り付けられた温度センサー
写真1●ラック前面の扉に取り付けられた温度センサー
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●ラック背面に取り付けられたDSCベースステーション
写真2●ラック背面に取り付けられたDSCベースステーション
[画像のクリックで拡大表示]

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は2008年2月21日,データセンターの省電力化を実現する製品/サービスの販売を開始した。サーバー室内の温度に応じて動的に空調を制御するシステム「HP ダイナミック・スマート・クーリング(DSC) ソリューション」,ラック一体型のサーバー冷却装置「HP モジュラー クーリング システム Generation 2」(HP MCS G2),そして同社製ブレード・サーバー用直流電源モジュール――の3つである。

 「日本のデータセンターは,まだ電力利用効率が高いとはいえない」と,Adaptive Infrastructure ビジネス本部の高原明彦 担当マネージャは指摘する。同社の調査では,電力利用効率が高いとされる,PUE(Power Usage Effectiveness)が1.6以下の国内データセンターは1割程度。9割は改善が必要だという。PUEは,データセンター全体の消費電力を,IT機器の消費電力で割った値である(関連記事)。今回販売を開始する3つの製品は,この状況を改善するのためのものだ。

 DSCソリューションは,サーバー室の内部の温度に応じて,空調の温度設定や風量を変更するシステムである。ラック前面に5つの温度センサーを取り付け,サーバーの吸気温度を調べる(写真1)。

 温度データは,ラックごとに設置する「DSCベースステーション」と呼ばれる機器を経由し,データセンター内の温度を管理するサーバー「DSC Energy Manageコントロールノード」に集める(写真2)。それを基に,空調を制御する。現状では,日本エマソンの空調機に対応する。

 これにより,データセンター内に発生する熱だまりなどを,効果的に解消する。サーバーを増設したり入れ替えたりして温度状況が変わっても,自動的に空調を制御して,温度を適切に保つ。必要以上に温度を下げてしまうこともないため,消費電力の無駄も減らせる。

 国内データセンターでも,サーバー室内の温度をセンサーで管理しているケースはある。しかし,「空調に備え付けの温度センサーは空調が取り込む空気の温度を測るため,サーバー吸気温度は測れない。また,温度センサーの数が少ない」(サービスビジネス開発本部サービスビジネス開発一部の池田裕之氏)。

 DSCソリューション導入前には,データセンターの状況や電力容量を調査・分析する「DSCサーマル アセスメント」を実施。どの空調機が,サーバー室内のどのエリアまで冷却可能なのかなども明確にした上で,データセンターを最適化する。

 税込み価格は,広さ500平方メートル,設置ラック数250本の場合で3500万円から。センサーなどの製品とアセスメントを含む。

2つのラックを集中的に冷やす

 HP MCS G2は,2006年6月に発表した「HP MCS」の機能を強化した製品。水冷方式を採用している。HP MCSでは30kWだった冷却能力を,35kWに高めた。

 また,1つのユニットで最大2つのラックを冷却できるようになった。2つのラックの間に,ラックの半分ほどの幅の冷却モジュールを装着。両側のラック内部に,冷気を送り込む。税込み価格は,336万円からである。

 ブレード・サーバー「HP BladeSystem c7000」用の直流電源ユニット「DCパワーモジュール」の提供も始める。交流直流変換をなくすことで,約20%電力効率を向上させることができるという。

 「通信事業者のデータセンターは,交換機や通信機器向けの直流電源設備を持っているところが多い。まずはそこをターゲットにしたい」と,ISSビジネス本部プロダクト・マーケティング部の山中伸吾氏は説明する。税込み価格は11万5500円からで,出荷開始は3月中旬である。