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 欧州連合(EU)の独占禁止法当局である欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間2008年2月21日,米Microsoftが主要製品の技術情報を公開する方針を示したことに対し,独占行為の疑いが晴れる保証はないという懐疑的な態度を示した。

 Microsoftは米国時間2月21日,他社製品との相互接続性を向上させる取り組みを強化する目的で,主要製品のプロトコルやAPIに関する技術情報を無償公開すると発表した(関連記事:Microsoftが相互運用性への取り組みを強化,秘密保持契約対象の技術情報も無償公開)。ECはこの取り組みを歓迎するとしたものの,「相互接続性を重視することについて,Microsoftはこれまでに同様の声明を少なくとも4回出した」と指摘している。

 現在ECはMicrosoftに対し,相互接続性の確保に必要な情報開示が十分であるかどうかと,製品抱き合わせ販売が行われていないかどうかを確認するため,2件の調査を実施している(関連記事:欧州委員会,反競争法の疑いでMicrosoftに対して新たに2件の調査)。ECは,MicrosoftがEUの独占禁止法に従っているかなどの判断を,今回の発表に影響されることなく,あくまでも調査結果から導き出すとした。

 なお,この2件の調査は,欧州司法裁判所の第一審裁判所が2007年9月に下した判決にもとづくものである。判決に至るまでの経緯は以下の通り。

 ECは,Microsoftが欧州市場におけるパソコンOSの独占的立場を悪用し,サーバーOSやメディア・プレーヤの販売に関してEU競争法に違反したとして,4億9720万ユーロの罰金支払いを含む是正措置を2004年3月に決定。競合他社の製品がWindows搭載パソコンやサーバー上で完全な互換性を確保できるようWindowsのインタフェース情報を開示するなどの業務改善を求めた(関連記事:ECが対米Microsoftの制裁措置を正式発表,罰金4億9720万ユーロ)。Microsoftは同年6月,是正内容を不服として欧州司法裁判所の第一審裁判所に提訴した(関連記事:米Microsoft,競争法違反をめぐるECの決定を不服として提訴)。

 第一審裁判所は2007年9月,Microsoftの訴えを棄却し,ECの決定を支持(関連記事:MSの競争法違反問題,欧州司法裁判所がECの是正命令を支持)。Microsoftは最終的に判決を受け入れ,ECの示した条件を完全順守することで合意した(関連記事:Microsoftの独禁法違反を巡ってEUが勝利宣言)。

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