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 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2008年2月23日,鹿児島県の種子島宇宙センターからH-IIAロケット14号機を使って超高速インターネット衛星「きずな」を打ち上げたと発表した。三菱重工業が打ち上げ,JAXAが安全確保業務を担当した。打ち上げの模様は,街頭ビジョン,科学館やJAXA中継会場など19カ所でライブ中継。インターネットでのストリーミング配信も実施された(写真)。

写真●インターネットでライブ中継されたH-IIAロケット14号機による「きずな」の打ち上げ模様(写真はJAXAの提供)
写真●インターネットでライブ中継されたH-IIAロケット14号機による「きずな」の打ち上げ模様(写真はJAXAの提供)
写真●インターネットでライブ中継されたH-IIAロケット14号機による「きずな」の打ち上げ模様(写真はJAXAの提供)
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 打ち上げは当初2月15日を予定していたが,H-IIAロケット14号機の姿勢を制御する「2段姿勢制御用ガスジェットスラスタ装置」に不具合が発生。13日に打ち上げ延期を発表し(関連記事),20日にあらためて打ち上げ日を23日にすると発表していた。

3度打ち上げ時刻を変更

 23日,打ち上げ時刻を3度遅らせ,「この時間のあいだに打ち上げなくてはならない」と決められた時間帯いっぱいで打ち上げた。当初予定した打ち上げ時刻は16時20分だったが,風の強さが制約範囲を超える可能性があるため16時55分に変更。16時41分には,警戒区域内に小型漁船が立ち入っていたため,打ち上げ時刻を17時50分に再度変更した。

 17時50分の約300秒前(5分前)の17時45分には,打ち上げ時刻をさらに5分間遅らせた。これは風の強さが規定値を超える恐れがあると判断したため。打ち上げ前300秒以降で規定値を超えると,カウントダウンを止める運用になっているという。この結果,打ち上げ時刻は17時55分になった。

 打ち上げ後H-IIA14号機は安定して飛行し,18時23分に「きずな」を切り離した。きずなは今後約1週間かけて,小型の衛星用ロケットエンジンである「アポジエンジン」を使って現在は楕円形になっている軌道を修正してゆき,本来の静止軌道にのせる。

 「きずな」は,衛星では最高速となる直径5mのアンテナで1.2Gビット/秒の通信が可能な実証・実験衛星。今後5年間にわたって,通信機能の検証や,災害対策や情報格差解消への有効性を確認していくことになっている(関連記事)。

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