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 総務省は2008年2月29日,販売奨励金の会計上の処理に関する考え方をまとめた「電気通信事業における販売奨励金の会計上の取扱いに関する運用ガイドライン(案)」を公表した。モバイル市場の活性化を図るために同省が昨年9月に打ち出した「モバイルビジネス活性化プラン」(関連記事)を受けたものである。販売奨励金は,携帯電話事業者などが販売代理店に払う販売支援費のこと。

 この取り組みは,MVNO(仮想移動体通信事業者)が,携帯電話網に接続した際に払う接続料や,サービスの提供(卸電気通信役務)を受ける際に払う料金の原価に販売奨励金が含まれているケースがあることを問題視しているため。この支援費の一部を,接続料や卸電気通信役務の原価として他事業者に負担させるのはおかしいという指摘が出ている。そこで総務省は,電気通信事業会計規則の改正によって是正する方針をモバイルビジネス活性化プランで打ち出していた。今回公表したガイドライン案は,この会計規則の改正に伴う考え方をまとめたものになる。

通信サービスの契約に関する費用のみを計上

 改正後の会計規則では,「通信販売奨励金」に相当するものだけを電気通信事業の営業損益に計上するように変更する。通信販売奨励金は,通信サービスの契約の締結・維持を目的とする費用で,従来,端末の販売促進を目的とする端末販売奨励金とあわせて販売奨励金とされてきた。ガイドラインではこの通信販売奨励金の基準を示し,それ以外の販売奨励金は別の科目に計上して「金額が明確となるように公表するのが望ましい」とした。

 分類が難しい代理店維持費用は「通信サービスの契約に欠くことのできない要素で,少なくとも端末販売奨励金には分類できない」としたものの,通信販売奨励金と別の費用として計上することが適当という解釈を示した。

 また各事業者が提供しているポイント制度については,端末購入に利用したポイントだけを分類して計上することが難しいので,ガイドラインの対象外とした。ただし,「販売奨励金の会計整理の趣旨が没却されないように引き続き注視する」方針である。

 総務省はガイドライン案に対する意見募集を3月31日まで実施し,その結果を踏まえて4月初旬にもガイドラインを公表する予定である。ガイドライン自体は2008年4月1日以降の会計年度から適用することを考えている。端末販売奨励金が電気通信事業の営業損益と別の科目に計上されることになれば,接続料などが安くなり,MVNOが参入しやすくなることが期待される。

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