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 富士通は黒川博昭社長が相談役に退き、野副州旦経営執行役上席常務が社長に昇格する人事を発表した。6月末に開く株主総会と取締役会を経て正式に決定する予定だ。社長就任に先立ち、4月1日から野副上席常務は副社長に昇格する。

 会長には、間塚道義副社長が就任する予定。この人事に伴い、秋草直之会長は取締役相談役に就く。「対外関係を担当する秋草氏は取締役に残るが、私(黒川氏)と秋草氏ともに経営の一線からに退く。新しい2人には思いっきり経営に当たってもらう」(黒川社長)と言う。

 野副常務は、米国本社駐在、政策推進本部長などを経て、2003年に経営執行役と兼務でソフト・サービス事業推進本部長に就任。このころから露呈してきた赤字SI案件の撲滅で陣頭指揮に立ってきた。後の2005年に就任するソリューションビジネスサポートグループ副グループ長の時代に、SI事業の黒字化にメドを付け、その手腕が認められるようになった。黒川社長は、こうした功績も含めて野副常務を「バランス感覚に優れた強いリーダー」と評価し、次期社長に指名したという。

 富士通の経営課題については、野副常務は海外駐在が長い経験を踏まえ、「やはりグローバル展開だ。そのためには強いハードが必要になる」と説明。欧米やアジアでのSI事業のさらなる拡大と、それを支えるサーバーなどのハード事業強化を進めていく考えを示した。富士通は海外ITサービス企業などのM&A(企業の合併・買収)に力を入れているが、「戦略が定着しなければ成功しない。慎重に案件を検討する必要がある」との見方を示している。