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 米Microsoftに近い関係者からの匿名情報と,米Wall Street Journal紙の記事によると,Microsoftは米Yahoo!に対する買収提示額を引き上げないつもりらしい。Microsoftは,「Yahoo!は実行可能な選択肢を使い果たし,合併以外に道がないと悟る」と確信しており,引き上げを行わずにチャンスを待っているのだ。

 Microsoftは2008年2月,Yahoo!に約446億ドルで買収を提案した。これに対しYahoo!は,同社の価値を「著しく過小評価した」提示額と主張している(関連記事:Yahoo!が株主あての書簡を公開,MSの提示額が過小評価であることを強調)。買収を提案した当時,この提示額は1株当たり約31ドルに相当し,その時点でYahoo!の株価にかなりのプレミアムを上乗せした金額だった。現在は株価変動の影響で1株当たり約29ドルになり,実際の株価とほぼ等しくなった。

 Microsoftが提示額を上げずにチャンスを待っていられるのは,Yahoo!買収の競争相手が登場しなかったからだ。そのため,Microsoftにとっては提示額を引き上げる理由が見当たらず,自社株を買い取るような状態になる。Yahoo!は様々な提携や合併といった代替策を検討したものの,実現性のある手段を見つけられていない。先ごろYahoo!は,投資家にアピールしようと業績見通しを公開したが,大した効果は得られなかった(関連記事:Yahoo!が今後3年の業績見通し公開,「Microsoftの提示額は過小評価」をアピールか)。ほとんどの人は,Yahoo!が現在示している戦略で今後の業績を自力で改善できるとは思っていない。

 MicrosoftがYahoo!に一方的な買収提案をして以来,両社は1回しか公式会談を行っていない(関連記事:MicrosoftとYahoo!,ついに直接会談を実施)。ただし,会談では主にMicrosoftが自社オンライン・サービスにYahoo!の事業を統合する計画を説明しただけで,財務に関する問題は議題にならなかった。今のところ,Yahoo!は財務面でMicrosoftと協議することを拒んでいる。