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 「クラウド・コンピューティングは次世代の企業システムを考えれば自然な流れだ」。米ガートナーでITインフラストラクチャ&オペレーションを担当するトーマス・ビットマンVP兼上級アナリスト(写真)はこう言い切る。

 同社では、2008年1月ころから担当のアナリストを集め、それまで見解が分かれていたクラウド・コンピューティングの定義について議論を交わしたという。そこで決まったのが、「膨大なまでに拡大できる、ITによって可能になる能力が、インターネット技術を使って外部の顧客にサービスとして提供されるというコンピューティング・スタイル(A style of computing where massively scalable IT-enabled capabilities are delivered as a service to external customers using Internet technologies)」という定義だった。「アナリスト個人の見解ではまだ細かな相違があるが、この定義にひとまず決まった」(ビットマン氏)。

 さらに、クラウド・コンピューティングには4つの観点から新規性があるという。すなわち、結果がすべてで過程を問わないという「取得モデル」、資産を所有せずに利用した分の対価を支払う「ビジネス・モデル」、どこからどんな機器からでもアクセスできる「アクセス・モデル」、動的にコンピュータ資源を共有する「技術モデル」である。言い換えれば、それらの新規性をすべて同時に満たしているのがクラウド・コンピューティングだ。

 この定義を当てはめると、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)はクラウド・コンピューティングに入る。このほかPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)、グリッド・コンピューティング、バーチャル・デスクトップは、「場合によってはクラウド・コンピューティングのカテゴリに入る」(ビットマン氏)という。

 ただしクラウド・コンピューティングは、「出たばかりの技術なので、サービス・レベルの規定など、まだ課題も多い」とビットマン氏は話す。しかし、「ITサービスの利用形態が多様化する『代替デリバリ・モデル』の出現という大きなトレンドのなかの1要素であることは間違いない。2年以内に米IBMや米ヒューレット・パッカード、米EMCといったメーカーは、クラウド・コンピューティングの提供を強力に推し進めるはずだ」(同)と主張する。