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日立GSTの中西宏明CEO
日立GSTの中西宏明CEO
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 日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)は2008年4月17日、再建中のハードディスク事業に関する説明会を開催、再建の現状と今後の見通しを明らかにした。中西宏明 取締役兼CEO(最高経営責任者)は冒頭、「昨年夏ころから事業売却の噂があった。しかし日立製作所と話し合った結果、我々は自力で経営を立て直すことを決定した」と宣言。自力での再建を継続する意向を示した(写真)。

 米IBMのハードディスク事業を統合して2003年1月に発足した同社は価格競争に巻き込まれ業績が低迷。毎年巨額の赤字を計上しており、日立全体の経営の足かせになっていた。2007年度(1~12月期)も第4四半期こそ9500万ドルの営業黒字に転じたが、通年では2億8600万ドルの営業赤字を出した。06年度も3億7500万ドルの営業赤字だった。
 
 今回の説明会では開発・製造拠点のいっそうの統合や一部事業の売却・撤退、第三者による資本注入といった大胆な策は提示されず、証券アナリストから「本当に今度は黒字化できるのか」という厳しい質問も出た。これに対して中西CEOは「結果で示したい」と答えるとどまった。08年度に日立独自の経営指標「FIV(Future Inspiration Value)」で黒字化を達成し、09年度以降も黒字継続を目指すという。日経平均が続伸する中、日立製作所の17日の終値は前日比4円安の652円だった。

 中西CEOが業績回復の材料として挙げるのは、ハードディスク市場の先行き。説明会では「08年の成長率は12%、出荷台数は5億5800万台の見込み。市場の成長は続く」と明るい見通しを強調。「音楽や動画、写真といったデジタルコンテンツの急増で個人用ストレージやデジタル機器向けの需要が伸びる」とみて、同分野向けの製品開発を急ぐ。デジタル機器向けの「CinemaStar」や車載向けの「Endurastar」といった製品を強化する。

 収益改善に向けてさらなる努力を続けることも宣言した。過去の状況と現状を比較した自己採点表を表示しながら、製品の充実やディストリビューションの強化、コスト削減への取り組みなどの対策を説明した。特にコスト削減に対しあらゆる知恵を集中して取り組むことを強調し、「リカバリーの時期から新たな事業を創造する時期に変わりつつある」と締めくくった。

 日立GSTの2007年度の業績は出荷台数が8950万台で売上高は55億6000万ドル。前年度より台数は28%、売り上げは14%伸びた。「市場の伸びが期待できる製品に注力しラインアップを刷新したこと」、「前年比13%のコスト削減を実施したこと」、「業界のエキスパートを招き入れ経営幹部を刷新したこと」の3つが功を奏したと中西CEOは分析する。