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写真●商品に付けたICタグ付き値札
写真●商品に付けたICタグ付き値札
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 全米に128カ所の店舗を展開するSPA(製造小売業)型アパレル大手の米アメリカン・アパレルは、すべての商品に個品単位で無線ICタグを張り付けるシステムを導入することを明らかにした。システムを導入した米ビュー・テクノロジが2008年4月14日に発表したもので、16日に始まった無線ICタグ専門イベント「RFID Journal LIVE! 2008」において実際の商品を持ち込んでデモしてみせた。

 アメリカン・アパレルの狙いは、サイズや色などに分かれた数万点もの商品の店頭での品切れをなくし、そのための人件費を抑えること。商品に付いたICタグを店舗での入荷時と、販売時に読み取り、店内在庫を正確に把握する。バックヤードから店頭に出る通路にもリーダーを設置し、品出しした商品も個品単位で把握。こうしてバックヤードと店頭の商品の数を正確に把握し、店頭で品切れするとすぐに補充できる仕組みを構築した。07年12月にニューヨーク市内の1店舗で試験導入した結果、品切れ防止によって売り上げが「20~25%向上した。品出しの担当員も6人から2人に減らせるなど人件費も下がったことから、投資は6カ月で回収できる」(今回のプロジェクトを主導したビュー・テクノロジのゴードン・アダムス・セールス上級副社長)という。

 アメリカン・アパレルは4万点の商品をICタグで管理した試験店舗の結果を見て、ニューヨーク市内の全17店舗に5月中にもシステムを横展開する。使い捨てのICタグ(UHF帯Gen 2)を6カ月分として100万枚発注。同時に全米128店舗への展開も順次進めている計画で、年間に利用するICタグは数百万枚から数千万枚になる。ICタグを埋め込んだ紙製の値札タグの単価は十数セントとみられる。

 POSレジの近くにもICタグ・リーダーを置き、販売時にICタグを読み取る。これで店頭の商品の在庫が減ったと分かる。すると、バックヤードの品出し担当者に対して、品出しすべき商品とその数、ピックアップすべき商品の置き場がリアルタイムに画面で指示が出る。商品の置き場(棚)にも16カ所の場所タグを張り付けてあり、バックヤードに商品を納める際に間違った商品を置かないようにチェックする。こうした仕組みにより、効果的な品出しができる。

 週単位で実施している棚卸しも効率化される。従来はバーコードを1点ずつ読んでいたため、4人が8時間かけて実施していた。こればハンディ型ICタグ・リーダーでの棚卸しにより、2人で2時間で済むようになったという。

 アメリカン・アパレルは全商品をロサンゼルスで製造している。ICタグ・プリンタを新しく導入し、製造時にICタグ付き値札を装着する。値札の装着工程は従来と何も変わらない。出荷時にもICタグを読み取り、店舗での入荷検品の際に消し込む。商品を納めるケースにもICタグを張り付け、検品の際はケース・タグを読むだけでいい。

 ビュー・テクノロジは、棚にリーダー・アンテナを据え付けるスマート・シェルフのソリューションを持っているが、今回は導入していない。RFIDミドルウエアや商品管理システムを導入した。