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写真●情報処理推進機構(IPA)の西垣浩司理事長
写真●情報処理推進機構(IPA)の西垣浩司理事長
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 情報処理推進機構(IPA)の西垣浩司理事長は2008年5月1日、就任後初めての記者会見を開催して中期計画を発表した(写真)。同氏はNEC元社長で、IPA初となる民間企業出身のトップである(関連記事)。

 中期計画の方向性について西垣理事長は、「以前のIPAは個別のソフトウエアに補助金を付けるなど、ソフトウエア産業のための団体というイメージが強かった。しかし、2004年からの藤原武平太・前理事長の就任期間中に大きく変わった。今回の中期計画でも個別ソフトの支援はほとんどしない。IPAを、営利企業ではカバーできない、IT全体の共通基盤を支えていくような組織に変えていく」とした。

 具体的には、(1)情報セキュリティ対策の強化、(2)ソフトウエア・エンジニアリングの推進、(3)IT人材育成、(4)オープンなソフトウエア基盤の整備――を事業の柱にする。

 (1)では、ウイルスなどセキュリティ上の脅威に関する情報を収集し、対策などの情報を発信していく。「セキュリティ上の脅威に対して、ユーザーができるだけ迅速に対応できるようにしたい」(西垣理事長)という。(2)のソフトウエア・エンジニアリングは、情報システムの信頼性向上をテーマにする。ソフトウエアの評価基準・手法を利用して生産性を高めるためのツールを作成したり、データベース「ソフトウエアエンジニアリングiPedia」(仮称)をまとめたりする。

 (3)の人材育成では、情報処理技術者試験やスキル標準を通じて、IT人材を育成していく。「(新設したエントリー試験である)ITパスポート試験を軌道に乗せ、産学協同でIT人材の数を増やしたい」(西垣理事長)とした。(4)のオープンなソフトウエア基盤については、オープン・ソース・ソフトウエアの開発支援や、オープンな標準に準拠したSOA(サービス指向アーキテクチャ)製品の認定(関連記事)などを行う。

 これら4事業を推進していくには、ソフトウエア産業だけでなく、一般企業や個人ユーザーの理解や協力も不可欠だ。この課題に対して西垣理事長は「これまでは内向きの、ソフトウエア業界だけが分かるような情報発信になっていたことは否めない。今後はユーザーにも分かりやすい情報を発信していきたい」とした。