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 2005年12月にみずほ証券がジェイコム株の誤発注で出した損失を巡って東京証券取引所を訴えた裁判の第9回口頭弁論が2008年5月9日、東京地方裁判所で開かれた。原告のみずほ証券側は、被告の東京証券取引所にシステムの発注者としての注意義務違反と重過失があったことを改めて主張する準備書面を地裁に提出した。

 みずほ証券側は「東証はシステムの発注者として、業務上の要求を富士通に伝え、富士通が開発したプログラムが要求と整合しているかをテストする責任がある」と訴え、「誤発注の取り消しができなかったのは東証の重過失だ」と主張した。

 さらに「東証から委託を受けた富士通はシステム提供債務の履行補助者に当たる」との前提で、「富士通が設計・開発過程で犯したミスの全責任は東証が負う」とも述べた。

 東証側が「そもそも誤発注がなければ損失は発生しなかった」との考え方に基づいて「仮に債務不履行と重過失に当たるなら、みずほ証券の過失に基づく大幅な過失相殺がされるべき」と主張しているのに対し、みずほ証券側は「誤発注は過失相殺の事由にはならない」と反論した。「東証の株式売買市場には、売買注文が錯誤でも取引参加者は無効主張ができないという合意がある。錯誤の注文は取消注文で対処するルールになっており、誤発注も取消対象なのは明白だ」と強調。「取消注文より後に発生した損失は、東証がすべて負担しなければならない」と訴えた。

 東証側は今後、みずほ証券側の主張に対する反論書類を提出するとみられる。みずほ証券側は、海外の証券市場と東証における誤発注の対処方法を比べた書類を提出する。次回口頭弁論は2008年7月25日の予定だ。

 この裁判は、2005年12月にジェイコム株の誤発注により400億円を超える損失を出したみずほ証券が、誤発注を取り消せなかったのは東証のシステムの不具合が原因だとして、東証に約415億円の損害賠償を求めたもの。2006年12月の裁判開始から1年半が経過している。2003年7月に施行された「裁判迅速化法」では「第一審を2年以内のできるだけ短い期間内に終局させること」を目標として掲げている。