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 米クアルコムのサンジェイ・K・ジャCOO(最高執行責任者)兼CDMA半導体部門プレジデントは2008年5月15日,来日に合わせて記者会見を開催,携帯電話の次世代無線方式,モバイル端末の新市場などについて将来展望を語った。

 無線方式については,クアルコム社が推すCDMA2000方式の現況を報告した。現在,99カ国で248の通信事業者が採用しているという。特に,直近の12カ月間で20事業者が新たに採用を決めた。そのほとんどが新規の事業者。

 現行の音声方式CDMA2000 1Xの延長にあるのがCDMA2000 1X Enhancementsであり,音声の収容能力を2倍にする。1.25MHzの周波数幅を使った場合,最大100コールを収容できるという。ジャCOOは,2009年半ばには導入されるものと期待している。

 データ通信のEV-DOについては,現行のRev Bのピーク速度が14.7Mビット/秒であるのに対し,EV-DO Enhancementsでは,2×2のMIMO技術を採用するなどして34.4Mビット/秒まで高速化する。

 CDMA2000 1Xの対抗方式であるW-CDMAの延長にあるのがHSPA+である。実用化段階にあるHSDPAの速度は7.2Mビット/秒だが,HSPA+では最大28Mビット/秒を実現する。クアルコムは「MDM8200」と呼ぶ端末用チップを開発,2008年後半にトライアルを始めるとした。W-CDMA方式を採用する通信事業者は多く,その延長技術HSPA+を望む声が多い。

 その先の無線方式には,W-CDMA系ではLTE,CDMA2000系ではUMBがある。この両者の競争に関してジャCOOは「LTEが主流になるとは思うが,一方でUMBがどれくらいのスケールが出るか検討する」とした。

 今回,ジャCOOが注目市場として取り上げたのが,パソコンと携帯電話の中間にある「ポケット&モバイル・コンピューティング・セグメント」である。液晶サイズにして2~12インチ程度の端末である。「この新しいセグメントが,今後成長を遂げると見ている」という。

 この市場向けにクアルコムは,「snapdragon(スナップドラゴン)」と呼ぶプロセサを開発中である。1GHz動作のscorpion(スコーピオン)CPUコアや600MHz動作の新型DSPを採用する。消費電力は250mW程度になる。

 ジャCOOによると,複数のメーカーがスナップドラゴンを搭載した端末を15機種ほど開発しているという。2008年第4四半期か2009年第1四半期には,Windows MobileあるいはLinuxを搭載した機種が発売されるものとみているとした。