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写真1●米EMCのジョー・トゥッチ会長
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写真2●全情報の70%は個人が作る
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 「これまでデータ・センターなど基幹データの管理が中心だったが、今後はコンシューマ向けにも力を入れる」。米EMCのジョー・トゥッチ会長兼社長兼CEO(写真1)は5月19日(米国時間)開催の年次カンファレンス「EMC World 2008」で、同社の新たな方向性を示した。「クラウドは大きなチャンス」と発言、「コンシューマ」と「クラウド」が次の成長のキーワードになると示唆する。

 「メールやデジタル・カメラの映像、ビデオのダウンロードなどを合わせると1日に3.8Gバイトもデータを使っている」。トゥッチ会長は自身の“情報活用度”を披露、個人データが増加し続けている状況を説明した。さらに「全情報の70%は個人が作るが、85%はフリッカーやグーグルといった企業が管理しなければならない」と説く(写真2)。

 こうした現状を踏まえトゥッチ会長は「これまでデバイスやアプリケーションに閉じていた情報が今後は垣根を越えて統合的なビューになる」と予測する。データの信頼性を高め、素早く、かつ低コストでデータを格納する重要性を力説した。

 コンシューマ重視、クラウド重視も明言した。戦略の中核を担うのは、昨年10月に企業買収によって手に入れたオンライン・バックアップ・サービス「Mozy」。PC内のデータのバックアップをインターネットを使ってEMCに“預ける”サービスである。障害時のデータ復旧などに役立つ。ユーザー数は全世界で75万人に上るという。

 Mozyに続いて、今年2月には個人情報管理の米Pi社を買収すると発表した。今後はPiの持つ「共有」「コラボレーション」といった機能をMozyに取り込む。

 MozyとPiの連携を進める組織「クラウド・コンピューティング部門」を新設し、ストレージやコンテンツ管理といった従来の主要4部門と並列に位置づけたことからも、同社の力の入れ具合がわかる。クラウド・コンピューティング部門のトップはポール・マリッツ氏。90年代後半、米マイクロソフトの上級幹部として、Windowsの普及を強力に推進した実力者である。