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 総務省は2008年5月20日,3.9世代携帯電話(3.9G)導入に向けた技術的条件を専門的に調査するIMT-2000高度化作業班(以下作業班)の第1回会合を開いた。作業班は,親会である携帯電話等周波数有効利用方策委員会が4月21日に開催した会合で設置が決まり(関連記事),電波産業会(ARIB)の若尾正義専務理事が主任を務めている。

 第1回となる会合では,冒頭に総務省の渡辺克也移動通信課長が議論の進め方を説明。「作業班では幅広く3.9Gの利用イメージを議論していただきたい。3.9Gで携帯電話サービスはどう変わるのか。3.9Gサービスにはどの程度の周波数幅が必要なのか。こうした利用イメージを今後の周波数の割り当ての参考にしていく」(同氏)と語り,サービス像から3.9Gに必要な帯域幅を固めていく方針を示した。

 今回はこの方針に沿う形で,NTTドコモ,イー・モバイル,NEC,松下電器産業(パナソニック モバイルコミュニケーションズ),クアルコムジャパンの5社が,3.9Gのサービス像や各社の取り組み状況を述べた。

 NTTドコモは,同社が「Super 3G」という名称で開発を進めている3.9G規格「LTE」(long term evolution)の実験状況や,想定するサービス像を紹介。3.9Gのサービス像としては,高速・大容量を生かしたモバイル新聞・雑誌などのメディア配信や,低遅延を生かしたオンライン・ゲーム,立体音響や立体映像を使った臨場感のある新たなコミュニケーションなどを挙げた。

 一方イー・モバイルは「増大するデータ・トラフィックに対応するため,高効率の技術は継続的に導入していかなければならない」(諸橋知雄次世代モバイルネットワーク企画室室長)と語り,3.9G規格導入の必然性を説いた。

 なおクアルコムジャパンは,LTEや「UMB」(ultra mobile broadband)などの3.9G規格に加えて,同社が進めているHSPAで利用する5MHzの帯域を2重化し広帯域化する「マルチキャリアHSPA」の取り組みを紹介。10MHz以下の周波数帯域を利用する場合,LTEなど3.9G規格とほぼ同等の性能を発揮できるとアピールした。

 作業班は5月にさらに2回の会合を開く予定。親会に当たる携帯電話等周波数有効利用方策委員会は,5月1日から23日まで3.9G導入に向けた意見募集を実施中で,5月29日に開催される委員会の会合で希望する事業者が意見陳述する予定となっている。

 3.9Gとは,現行の第3世代携帯電話(3G)を高度化したシステムのこと。3GPPで標準化がほぼ完了した「LTE」や,米クアルコムなどが開発を進める「UMB」などが3.9Gのシステムに当たる。いずれも100Mビット/秒超と,既存のシステムよりも高速・大容量の伝送を実現するのが特徴だ。