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写真●新エネルギー・産業技術総合開発機構で副理事長を務める山本隆彦氏
写真●新エネルギー・産業技術総合開発機構で副理事長を務める山本隆彦氏
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 「CO2を削減するためには,活動量を減らすか,電力消費効率を高めるか,この二択しかない。ここで,江戸時代並みにまで活動を減らすのは,もはや難しい。技術によって電力効率を高めなければならない」---。新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下,NEDO)で副理事長を務める山本隆彦氏は2008年5月29日,グリーンIT国際シンポジウムで,こう講演した(写真)。

 NEDOは,オイル・ショック後の1980年に新エネルギーの研究開発を目的に政府によって設立され,その後に産業技術開発などに用途を広げ,2003年に政府から独立した機関である。異業種水平連携や先端部材実用化などの垂直連携,産官学連携などを推進しているほか,技術開発と実証と導入普及の三位一体路線をしく。新エネルギー・省エネルギー関連の2008年度予算は,技術開発が327億円,実証が214億円,普及活動が464億円である。

 山本氏はまず,2005年時点での一次エネルギーの構成を示した。日本はオイル・ショック時の1973年には,石油が77.4%と圧倒的に多く,石炭の15.5%,天然ガスの1.5%,原子力の0.6%と続いていた。これが2005年には石油依存が薄まり,石油の47.4%,石炭が21.1%,天然ガスが13.3%,原子力が15.0%となる。特に原子力と天然ガスの躍進が目覚ましい。

 一次エネルギーに関する直近の技術開発として,山本氏は,石炭ガス化複合発電(IGCC)を紹介した。この目標熱効率は,48%(LHV:低位発熱量の場合),46%(HHV:高位発熱量の場合)であるという。また,革新的太陽光発電技術研究開発では,2030年時点で発電コストは7円/kWhになるとしている。発電効率は22%以上で,モジュール・コストは50円/W,住宅に設置するシステム価格は17万~18万円/kWを見込む。

 情報機器でも,省エネルギー化による省エネ効果が見込まれている。ハードディスクのドライブ単体では超高密度ナノビット磁気記録技術により,単位情報あたりの消費電力が2008年から2012年で50分の1に低減される。映像ディスプレイは有機ELとなり,40インチ以上で40W以下を目指す。ネットワークでは,トラフィック制御によってネットワークの消費電力を30%削減し,冷却技術などにより,データセンター全体の消費電力を30%削減するという。

■変更履歴
プロジェクト名の表記をNEDOの正式名とするなどの修正を加えました。 [2008/05/30 16:10]