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 特許庁と経済産業省は2008年5月30日,「イノベーションと知財政策に関する研究会」の政策提言及び報告書原案に対するパブリックコメントの募集を開始した。報告書では「仮想的な世界特許庁」,「リスクを軽減する透明で予見性の高い特許審査メカニズム」,「オープン・イノベーションに適応したインフラ整備」などの提言を行っている。

 特許庁では2007年12月,「イノベーションと知財政策に関する研究会」(座長:三菱電機 取締役会長 野間口有氏)を設置し,知的財産権制度を取り巻く環境の変化に対する今後の知財政策の在り方について検討してきた。その成果として今回,政策提言をまとめた。

 提言では基本理念として「日本は約10年前から知財の保護をより強化する政策 (いわゆるプロパテント政策)をとってきている。プロパテント政策の基本方針は重要であることを引き続き確認し,さらにプロイノベーションの知財システムの強化を提言する」としている。

 提言の目的は3点。(1)「グローバル化」に対応したプロイノベーションの知財システム(持続可能な世界特許システム)の実現,(2)「不確実性」と「ビジネスリスク」を低減するイノベーション創出のための知財システム(特許システムの不確実性の低減),(3)「技術の高度化」とオープン・イノベーションに適応したイノベーション促進のためのインフラ整備である。

 具体的な政策提言は以下の通り。

提言1.ひとつの発明が、効率的にグローバルな知財となる「仮想的な世界特許庁」の構築の構想を世界的に提言する
また、「仮想的な世界特許庁」の構築向けて効率的な保護をよりグローバルに実現するための取組を拡大する
提言2.出願人の多様なニーズに応じた審査体制を整備する(メリハリの効いた特許審査迅速化)
提言3.米国と欧州の制度面の歩み寄りに向けて日本が働きかけることで国際的な制度調和を推進する
提言4.途上国における知的創造サイクルの確立に向けて、知財とビジネスの成功事例の共有を提唱する
提言5.審査基準を恒常的に見直し、特許制度の安定性を高めるための透明で予見性の高い特許審査メカニズムを構築する
提言6.パテントトロール問題への対応のためのガイドラインを検討する
提言7.イノベーション促進のためのインフラ環境(エコシステム)を「再構築」する
提言8.知財プロデュース型ビジネスの設立を支援する
提言9.標準化された技術に関する知財の利用を円滑化し、標準化戦略を推進する
提言10.シームレスな(継ぎ目のない)検索環境を実現する
提言11.コミュニティパテントレビューの試行を開始する
提言12.研究開発政策と知財政策との連携を図る
提言13.知財プロデューサー派遣事業を創設する

 パブリックコメントの募集はe-Gov電子申請システムで受け付けている。また2008年6月からは英語によるパブリックコメントの募集も開始する。

◎関連資料
「イノベーションと知財政策に関する研究会」の政策提言及び報告書(原案)に対するパブリックコメントの募集について(特許庁)
イノベーション促進に向けた新知財政策-グローバル・インフラストラクチャーとしての知財システムの構築に向けて-<「イノベーションと知財政策に関する研究会」の政策提言及び報告書(原案)に対するパブリックコメントの募集について>(経済産業省)
「イノベーションと知財政策に関する研究会」提言(案)
「イノベーションと知財政策に関する研究会」報告書(案)
イノベーションと知財政策に関する研究会 議事録および配布資料
「イノベーションと知財政策に関する研究会」の政策提言及び報告書(原案)に対するパブリックコメントの募集について 意見募集要領