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 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は2008年6月5日、科学的アプローチでサービスを考察する「サービスサイエンス」の研究プロジェクトを開始した。第1回は、同分野を専門とするワクコンサルティングの諏訪良武常務を講師として招き、同氏が実践したサービスサイエンスの事例紹介と基礎についての講習を実施した。主にJUAS会員約50人が参加した。

 JUASがサービスサイエンスの研究を開始した理由は、ユーザー満足度向上のための手法を確立するため。きっかけは2002年と03年に実施したユーザー満足度プロジェクトの結果にある。同プロジェクトの調査ではバグの発生量とユーザー満足度が必ずしも相関関係にないことが分かった。機能要件、非機能要件を満たしたシステムを決められたコストと納期で開発する以外に、満足度向上要因があるのではないかという仮説を立て、その解をサービスサイエンスに求めた。

 例えば一般的に「顧客が不満を感じるポイントは商品そのものの欠陥よりも店員の接客態度やクレーム対応の悪さ、品ぞろえの悪さなど、サービスの提供プロセスにあることが多い」(諏訪氏)。研究会ではこうした考えを情報システムに適用した場合に、何が満足度向上の要因になりうるかを探っていく。

 今回の講習では、サービスサイエンスの基礎として諏訪氏が「サービスとは何か」をハードウエア製品と比較して解説した。その最大の違いは、生産と購入の工程にあるという。ハードウエア製品は自社の最適な方法で生産でき、消費者が他社製品と比較したうえで購入できる。そのため、顧客満足も得やすい。一方サービスは提供(ハードウエア製品における生産に当たる)と購入がほぼ同時期である。そのため、事前にサービスを客観的に評価することが難しく、顧客満足度を得ることが難しいと主張する。

 研究会の第2回は8月7日を予定している。テーマは「サービスサイエンス実践のヒント (仮)」である。