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写真1●Interop Tokyo 2008会場のグリーンIT特設ブース「GREEN IT@Interop」
写真1●Interop Tokyo 2008会場のグリーンIT特設ブース「GREEN IT@Interop」
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写真2●電力モニタリングシステムのデモ。東大本郷キャンパスの工学部2号館にある空調機やサーバーの電力消費量を計測し,ブースにある大画面ディスプレイにその結果をリアルタイム表示
写真2●電力モニタリングシステムのデモ。東大本郷キャンパスの工学部2号館にある空調機やサーバーの電力消費量を計測し,ブースにある大画面ディスプレイにその結果をリアルタイム表示
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写真3●照明機器の遠隔操作システム。ブースにあるPCから,工学部2号館の講義室の照明をオン/オフして見せた
写真3●照明機器の遠隔操作システム。ブースにあるPCから,工学部2号館の講義室の照明をオン/オフして見せた
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写真4●インターネットを利用した,C/Sシステムのイベントドリブン相互接続のデモ
写真4●インターネットを利用した,C/Sシステムのイベントドリブン相互接続のデモ
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 千葉・幕張メッセで開催中の「Interop Tokyo 2008」では,特設ブース「GREEN IT@Interop」において,最新の省電力化技術が披露されている(写真1)。目玉は,2008年6月9日に発足したばかりの「グリーン東大工学部プロジェクト」のパネル展示とデモ。東大本郷キャンパスのCO2排出量を2030年までに50%削減するという壮大な目標を掲げ,その実現に向けたグリーンITの要素技術を展示した。

 プロジェクトの参加メンバーは,富士通,日立製作所,松下電器産業などのIT/エレクトロニクス・ベンダーを中心に,横河電機や山武などの計測制御機器メーカー,竹中工務店や鹿島などのゼネコンのほか,技術規格の標準化団体,通信事業者など34団体。もともと東京大学大学院情報理工学系研究科教授の江崎浩氏が,ITを活用したファシリティ・マネジメントによって大学を省電力化しようと提唱したことが発端となり,プロジェクトがスタートした。

 当面は,工学部2号館をモデルケースとして,様々な省電力化技術の実証実験を行う。「GREEN IT@Interop」のブースでは,その中のいくつかについてデモを実施した。

 例えば,工学部2号館に設置されている空調機やサーバーなど20カ所について電力消費量を計測し,大画面ディスプレイにリアルタイムに表示する電力モニタリングシステム(写真2)。あらかじめ機器ごとに設定しておいた電力消費レベルと比べ,現在どれくらいオーバーしているかを数字とグラフで示す機能があり,問題のありかが一目でわかるというものだ。

 「従来のシステムは基幹となる制御盤に取り付けるものが多く,大まかな電力消費の傾向がわかるだけだった。今回導入したESP DRAGONは,分電盤から出る電力線にクリップ(センサー)をつける方法で電力消費量を測定するため,機器レベルでの詳細な解析ができる」と,システムを提供したシムックスの地曳淳氏は説明する。

 そのとなりのコーナーでは,松下電工が照明機器などを遠隔操作するシステムを展示(写真3)。会場のPCからMSLメッセンジャーを使って,工学部2号館の講義室の照明をオン/オフするデモンストレーションを行った。機能を拡張すれば,キャンパス全体の空調や照明を集中的に管理したり,消し忘れた場合に外出先や自宅から機器をコントロールできるようになる。

 もう一つ,会場の注目を集めたのは,インターネットを利用した,C/Sシステムのイベントドリブン相互接続のデモである(写真4)。2台のPCを並べ,クライントが管理している照明が点燈するなどのイベントが発生したときだけ,クライント側からサーバー側に信号を送信する。デモでは,クライアントが管理している建物で火事が発生したと想定,画面に炎の絵が映し出されたのとほぼ同時に,サーバーの画面でも炎の絵が映り,瞬時に接続できる様子をアピールした。

 「ビル管理システムでは専用の通信方式でイベントドリブンによる相互接続を行っていたが,インターネットを使って同じことができるというのが,この技術のポイント」と,デモを実施した松下電工 EMITミドルウエア研究所の藤原憲明氏は話す。インターネットを介した相互接続では,従来,クライアントから定期的に信号を送るポーリング方式が使われてきたが,接続機器が多いシステムではサーバー側の負荷が大きくなるという欠点があった。

 「IPv6の時代には空調機や照明,サーバーなど多くの機器が一つの構内ネットワークに接続されるだろう。イベントドリブンの相互接続はエネルギーマネジメントに欠かせない技術になる」と,藤原氏は主張する。

 グリーン東大工学部プロジェクトでは,今後も,ITを活用した省エネ技術の開発に取り組み,全キャンパスにその成果を移転していく計画である。