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 日本芸能実演家団体協議会(芸団協)や日本音楽著作権協会(JASRAC)など28団体が参加する「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」は2008年6月17日,渡海紀三朗・文部科学相と甘利明・経済産業相が同日にブルーレイディスク(BD)を私的録音録画補償金制度の対象に加えると発表したことを受けて,権利者会議の意見を表明した。権利者会議は文科省と経産省の合意について,「権利者はそのプロセスを承知していない」とした。さらにその合意内容についても,(1)BDの指定がデジタル放送に着目したものであるか明確でない,(2)既に文化庁が提案している補償金制度の枠組みに関する今後の取り扱いが明確でない――の2点から,「どれだけの意味を持つものかについて現時点で判断ができない」という考えを示した。

 渡海文科相と甘利経産相がダビング10の問題に触れていることについては,「現行法でのBDの指定が『権利者への適正な対価の還元』に当たるかははなはだ疑問。今回の両大臣のコメントには戸惑いと失望を感じざるを得ない」として,権利者会議が想定する適正な対価を権利者に還元する仕組みとはギャップがあるとの認識を示した。さらに「BDの取り扱いについては,もっと早い段階で現行法での指定が行われてしかるべきものであり,権利者としてはこの合意を以ってダビング10の実施期日の確定ができるとは考えていない。この合意はダビング10の議論を前進させるものでもない」とした。

 なお権利者会議は2008年6月16日に,電子情報技術産業協会(JEITA)に対して,JEITAの私的録音録画補償金制度に関する公開質問状を再び送付したと発表した。今回の質問状は,「JEITAの『デジタル技術の進展に伴い補償金制度の必要性は反比例的に減少』などの主張は客観的事実に反するものだが,その点につき意見を聞かせて欲しい」など8つの項目からなる。公開質問状の回答期限は2008年6月23日である。このように権利者会議は,補償金制度の見直しに関する見解を権利者会議と異にするJEITAに主張の真意を問い質すなど,補償金制度の見直しに関する活動を推進している。