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写真1●司会を務めたデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム取締役CTO e-ビジネス本部長の徳久昭彦氏
写真1●司会を務めたデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム取締役CTO e-ビジネス本部長の徳久昭彦氏
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写真2●左からエニグモの藤井真人氏,ソニーの竹下直孝氏,NewsGatorのアンディ マイヤーズ氏,博報堂の堀宏史氏
写真2●左からエニグモの藤井真人氏,ソニーの竹下直孝氏,NewsGatorのアンディ マイヤーズ氏,博報堂の堀宏史氏
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 2008年6月17日,「NET Marketing Forum 2008」において,「エンゲージメントを最大化させるバイラルとは」をテーマに,広告効果を高めるネット・マーケティングのあり方についてパネル討論が行われた。司会は,デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム取締役CTO e-ビジネス本部長の徳久昭彦氏(写真1)。

 バイラルとは,企業の商品やサービスを消費者に口コミで宣伝してもらうことを狙ったマーケティング戦略を指す。もともとは消費者が情報を発信するメディアであるCGM(Consumer Generated Media)が2005年頃から台頭しはじめ,巨大掲示板の「2ちゃんねる」や,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の「ミクシィ」や「グリー」,動画共有サイト「ユーチューブ」などが急成長した。

 「バイラル・マーケティングでは,一部の有力なユーザーに商品やサービスを知人に紹介してもらえるよう働きかけることで,直接はリーチできない消費者に広く宣伝できるのが特徴」と,ソニー コポレートディベロップメント部でブログ向けウィジェット・サービス「FLO:Q(フローク)」を開発している竹下直孝氏は,バイラルの広告効果について説明する(写真2)。

 従来のマスメディアによるマーケティングとバイラル・マーケティングの違いは何か。消費者参加型のCM制作ネットワーク「filmo(フィルモ)」を展開するエニグモの取締役最高業務執行責任者の藤井真人氏は,「マスメディア広告は,企業から消費者へと情報を流すだけなのに対し,バイラル・マーケティングでは“消費者が自ら見にいく”ための動機付けがポイント」と話す。「自分の家族や知人が撮影したビデオならば見たいと思うのが,消費者の心理。filmoでは,ペットや生活シーンなど消費者目線に近い作品を募集して広告主に提供。中には3ヵ月で30万回もアクセスされた動画広告もあった」(同)という。

 バイラル・マーケティングが進展してきた背景には,情報共有ツールの高度化がある。パネル討論では,米国の大手RSSベンダーのNewsGator日本代表のAndy Meyers氏も加わり,「RSSフィードを使ったビジネスは米国で急速に拡大している。NewsGatorでは,広告主が自らウィジェットを手軽に作成して自社サイトに貼り付けるツールを用意しており,今後日本での利用が増えることを期待している」と述べた。

 最後に,バイラル・マーケティングの課題として,広告効果をいかに測定していくかについて意見が交わされた。

 「口コミの効果測定はなかなか難しい。マスメディアのように世帯視聴率に換算するという方法もあるが,数字としてどれほど意味があるかわからない」と,藤井氏。

 ソニーのFLO:Qの場合,何人のユーザーにブログ・パーツが持ち出されたかによって効果の目安としているという。竹下氏は「1000人に持ち出されれば合格,5000人だと成功。ただし,これまでサイトに来たことのないユーザーにリーチできたことの効果は数字だけで測りきれないところがある」として,まだ試行錯誤の段階にあると語った。

 「バイラル・マーケティングだけの効果測定ではなく,マスメディアやイベントなどとのメディアミックスの結果,全体としてどうだったかを見るような効果指標が必要」と語るのは,博報堂 i-事業推進室プロデューサーの堀宏史氏である。「バイラルの本質は,消費者と共にあること。従来の“B to C”から“B with C”へ。生活者と一緒に,同じ方向を見ながら広告を作っていくことが求められている」と,堀氏は討論を締めくくった。