PR
写真●アクセンチュアの程近智社長
写真●アクセンチュアの程近智社長
[画像のクリックで拡大表示]

 「米国のIT関連企業の報酬は、金融、テレビ局に次ぐ高さとの調査結果がある。日本のIT業界も報酬を引き上げるなどの施策によって、社員の満足度を高めなければ衰退してしまう」。アクセンチュアの程近智社長は2008年7月2日、東京都内で開催中の「IT Japan 2008」で「IT業界にまた日は昇るか」と題し、日本のIT産業を再び魅力ある産業にするために方策について講演した。

 講演で対象としたIT業界は、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)やWeb上のコンテンツなどを提供する「サービスプロバイダ」とシステム構築を手がける「SI業界」、そして企業のシステム部門を指す。

 若手の理系離れやIT業界の人材不足について数々のデータを示しながら「IT業界への理解の低さや労働の過酷さ、キャリアパスの見えづらさなどが、IT業界への興味が薄れる理由になっている」と程社長は分析。現状では、ますますIT業界が魅力ない産業になってしまうと訴えた。

 程社長は社員の満足度を高める方法の1つとして、キャリアパスの明確化を挙げた。その実例として、アクセンチュアが実施している社員の育成方法について披露。アクセンチュアではプロジェクトが終了するごとに、参加していた社員に「次にどのようなプロジェクトに参加したいか」をヒアリングし、社員個人の希望に沿ったプロジェクトに参加できるように配慮する。

 「個人がやりたい仕事を与えることで、仕事への満足度を高められるとともに、個人が望むキャリアを身に付けられるようにする」狙いだ。ただしアクセンチュア内で実践しているが「難しい点も多い」という。「社員の希望をかなえるために、どんな仕事をとってくればいいのかと考える。ただし、社員の言うことだけを聞いていては会社は成り立たない」からだ。

 またアクセンチュアは「業界平均より離職率が高い」が、「IT業界内での人材の流動化は歓迎すべきことと考えている」と話した。IT業界でのキャリアパスには、コンサルタントやプロジェクトマネジャになるだけではなく、「ベンチャーキャピタリストになったり、アカデミックの道に進むなど色々な方法がある。さまざまな経験をした人材が転職によって交流することで、IT業界は活性化する」とした。

 最後に程社長は「一番、重要なのはIT業界の関係者1人、1人が輝いていること」と強調。自分のキャリアを誇れるようになる、スキルアップを定期的に実感できる、市場価値のある能力・技術が身についているかを定期的に確認できるなどを実行できることが重要とした。特に若いエンジニアについては、「自分の仕事で、どのように社会に貢献しているのかを知りたがる。これを若手に説明でき、充実感を与えることが重要」と語った。