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 日本デジコムは2008年8月19日,日本で衛星ブロードバンド・サービスを可能にする新型インマルサット衛星「Inmarsat-4 F3」の打ち上げが成功したと発表した(図1)。今回のF3衛星は主に太平洋をカバーする。既に打ち上げられているF1(インド洋衛星),F2(大西洋衛星)の3基で世界をカバーする。

図1●Inmarsat-4のイメージ図
図1●Inmarsat-4のイメージ図

 インマルサット衛星は「インマルサットBGAN」(broadband global area network)という衛星ブロードバンド・サービスを提供するために使われている。インマルサットBGANでは,音声通話や最大492kビット/秒のブロードバンド回線を利用でき,日本国内では日本デジコムやKDDIがサービスを提供している。

 今回の「F3」衛星は,インマルサットが衛星打ち上げ会社のILS(International Launch Services)と衛星製造会社の仏EADS Astriumと共同で,カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から現地時間2008年8月19日,午前4時43分に打ち上げた。

 日本デジコムによれば,従来はF1衛星が大阪以西をカバーするのみで,東日本ではインマルサットBGANを利用できなかったという(図2)。今回のF3衛星の打ち上げ後,F1,F2とともに,全インマルサット衛星は静止位置を東の方に移動する。これにより,日本全土をF1衛星がカバーすることになる。新しい位置への移動が完了するのは2009年2月末を予定しており,日本全土でサービスが使えるようになるのはそれ以降になる。

図2●インマルサット衛星のカバー・エリア
図2●インマルサット衛星のカバー・エリア
この図は以前の計画を示したもので,実際にはそれぞれのカバー・エリアが東にずれることになる。インマルサットのBGANに関する説明資料(http://www.inmarsat.com/Downloads/English/BGAN/Collateral/bgan_overview_brochure_EN.pdf?language=EN&textonly=False)から引用。

 なお,この移動措置は,できるだけ陸上部分をカバーするのが目的だという。以前はインマルサットBGANは主に海上の船舶で使われていたが,最近は陸上のトラフィックが増加しているからだ。

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