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写真1●東海大学大学院 組み込み技術研究課 准教授 山浦恒央氏
写真1●東海大学大学院 組み込み技術研究課 准教授 山浦恒央氏
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写真2●豆蔵 ES事業部 シニアコンサルタント 大西建児氏
写真2●豆蔵 ES事業部 シニアコンサルタント 大西建児氏
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 「仕様書を“横”から見ることがポイント」「CMMレベル5のチームがレベル1のチームより劣ることも」---。これらは,ソフトウエア開発者向けイベント「X-over Development Conference 2008」で,山浦恒央氏(東海大学大学院 組み込み技術研究課 准教授,写真1)と大西建児氏(豆蔵 ES事業部 シニアコンサルタント,写真2)が,システム・トラブルをテーマに対談した際の発言だ。対談では実際に起こったトラブル事例を題材に,「何が悪かったのか」「どうすれば良かったのか」「どんな教訓が得られるのか」などを二人が語った。冒頭の発言は何を意味するのか,対談を追いながら説明しよう。

 最初の題材は,旧システムから新システムへのデータ変換プログラムにミスがあり,新システムのシステム・テスト中に問題が見つかった事例である。あらかじめ実データを使ってテストされていたことを受け,大西氏は「システマチックにテストされていたのか疑問だ」と指摘した。山浦氏はアドバイスとして,「テスト項目を検討する際は,仕様書を別の観点から見ることが重要。例えば動物のゾウを前から見ているだけでは全身はわからない。横から見て初めてわかることがある。だから,仕様書を横から見ることがポイントになる」と語った。仕様書を横から見るというのは,設計とは別の観点で仕様書を見て,仕様書を検証することを意味する。

 次は,短期間に4回もの不具合を起こした事例である。大西氏は「トラブルを繰り返すのは,開発プロセスがないからだろう」という。ソフトウエア開発のプロセスに関しては「CMM(capability maturity model)」というモデルがあるとの説明の後,「注意したいのは,CMMのレベルが高い組織が開発したからといって,高い品質にはなるとは限らない。例えば,リトルリーグのチームがCMMの最高レベルに相当するプロセスを導入していたとしても,CMMレベルの低い大リーグ・チームがあったとして,そのチームに勝てるわけではない。CMMレベル5のチームがレベル1のチームより劣ることもある」(山浦氏)。CMMのレベルを高めるためのプロセスを導入していても,それに伴うエンジニアリング・スキルがなければならない。