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 「まずは,最近びっくりしたことをお話したい」。NTTデータ 法人コンサルティング&マーケティング本部の松田次博ネットワーク企画部長は,2008年9月10日に都内で開催されたイベント「ザ・ネットワーク・ロードマップ・2008」で講演に立ち,こう切り出した。

 同氏によると,最近提案したデータセンターのコンペで他社に負けてしまったのだという。「びっくりした」というのは,その敗退理由である。松田氏としては「かなり勉強して」安めの価格で提案したのだが,それでも採用に至らなかった。提案を募った企業にコンペ後に聞いてみると,最終的に選んだ提案は米国のデータセンターを利用したもので,価格は松田氏の提案の半分以下だったという。「米国では,データセンターは地方に置かれる。土地は日本に比べるとタダ同然。電力料金は日本の半分の水準。しかも人件費が安い。これなら,差がついて当然」(松田氏)。さっそく海外拠点でのデータセンターも,今後の提案メニューに加えることにしたという。

 この経験から松田氏が考えたのは,企業ネットワークの導入目的には「コミュニケーションの円滑化」,「情報の共有と活用」に加えて,「サービス資源の調達」という第3の柱があるということ。実は,上記の企業の拠点は国内だけ。海外にはない。そのような企業であっても,企業ネットワークの設計は世界規模で考える必要がある時代になったというのが,今回のコンペで得た教訓だとした。背景には,データセンターを国内に置いても米国に置いても距離ほどの価格差が生じない,通信料金の低価格化やフラット化がある。

 講演では,注目している今後のトレンドとして,高速化によって企業ネットで使い勝手が増している「ワイヤレス・ブロードバンド」,ユーザーが望むソフトウエアだけを入れられる「オープンなケータイ」,世界中のコンピューティング資源を組み合わせて活用できる「クラウド・コンピューティング」を挙げ,統計情報やユーザー事例,業界動向などを示しながらそれぞれの魅力を解説した。松田氏は,ネットワークを仕事とする自分にとって「オープン化」が最も重要なキーワードであるとして講演を締めくくった。