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 「考えた人が作るのが最適,そこでRubyが生きる」---2008年9月12日,島根県松江市でオープンソースカンファレンス2008 Shimaneが開催された。オープニングではまつもとゆきひろ氏とRubyビジネス・コモンズ会長 最首英裕氏の対談が行われた。また松江市長 松浦正敬氏と島根県知事 溝口善兵衛氏が登壇し,Rubyによる地域振興の実績と意気込みを語った。

「お金を持っていること」が条件ではない時代に

オープンソースカンファレンス Shimane 2008の会場
オープンソースカンファレンス Shimane 2008の会場
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左から司会の島根大学教授 しまねOSS協議会副会長 野田哲夫氏,まつもとゆきひろ氏,Rubyビジネス・コモンズ会長 最首英裕氏
左から司会の島根大学教授 しまねOSS協議会副会長 野田哲夫氏,まつもとゆきひろ氏,Rubyビジネス・コモンズ会長 最首英裕氏
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 オープニング・イベントとして,まつもとゆきひろ氏と,Rubyビジネス・コモンズ会長 最首英裕氏の対談が行われた。最首氏はRubyビジネス・コモンズの会長であると同時に,インテグレータであるイーシー・ワンの代表取締役を務める。イーシー・ワンはJava専門の企業として創業し,エンタープライズJavaの普及を先導した企業のひとつである。しかし「Javaだけではお客さんの要求に合わないところが出てきた」(最首氏)。要求があいまいな案件,アジャイルな案件などにRubyを活用,現在では全員がRubyの講習を受けている。

 Rubyビジネス・コモンズはRubyによるビジネスのノウハウを共有することを目的としたコミュニティだ。「イノベーションが企業よりもコミュニティから生まれることが多くなった」と感じ,コミュニティを立ち上げた。福岡に子会社があった縁などから,福岡に拠点を置いた。

 また最首氏は「現在,第2期のWeb企業ブームになっている。第1期は,システムは外注することが多かったが,今は考えた人が作るのが最も効率がいいという方向になってきている」と語る。そこで活用されているのがRuby on Railsだ。まつもと氏は「ソフトウエアの進化により,複雑さが覆いかくされるようになった」ことが,現在の流れをもたらしていると見る。

 「福岡の企業はほとんどが小企業で,今まで,資本ができなくてできないことが多かった。しかしブラウザだけでAmazon EC2の上でRuby on Railsアプリケーションを作れるサービスが出てくるなど,誰でも低いコストで膨大なクラウド・コンピューティングを使えるようになり,お金を持っていることが条件でなくなりつつある」と最首氏は見る。

 「日本におけるお金,人は東京に集中している。資本では東京に勝てない」と最首氏は言う。「東京だと,エンジニアが集まるとエンジニアばかり。でも,地方都市は,福岡で集まるといろんな職種の人があつまる。勉強会をやっても,6割はエンジニア以外。こういうところから,世界で戦える力が生まれてくればうれしい」(最首氏)。