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記者会見の冒頭謝罪する全日空の経営陣
記者会見の冒頭謝罪する全日空の経営陣
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不具合の原因を説明する上席執行役員の佐藤透IT推進室長
不具合の原因を説明する上席執行役員の佐藤透IT推進室長
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 全日空幹部は2008年9月18日会見を開き、14日に発生したシステム不具合の原因を公表し反省を語った。払い戻しなど直接的な損失額は、全日空グループ全体で2億円。

 原因は、既報されているように、チェックイン端末を管理するサーバー内の暗号化機能の有効期限の設定ミスによるもの。今回のトラブルについて、同社のCIO(最高情報責任者)である上席執行役員の佐藤透IT推進室長は、2点を挙げた。

 1点目は、初動の対応のまずさ。発生当初、データセンターのシステムやネットワークに異常が無いことを確認したあと、北九州空港内の端末に問題があると勘違いして、現地の保守要員に修理を依頼していた。「ローカルな障害だと認識してしまい、(主要空港である)羽田は大丈夫かという発想がなかった」(佐藤室長)と話す。

 2点目は、暗号化認証機能ソフトの有効期限切れを見逃した担当者の確認ミスについてである。「有効期限切れを2回防げるチャンスがあった」(佐藤室長)。2度のチャンスの1回目は、2005年のサーバー導入時である。当時から有効期限の設定を初期設定から100年後など影響が及ぼさないように変えておくべきだったと話す。

 有効期限切れを防げたかもしれない2回目のチャンスは、暗号化認証機能ソフトを新たに導入した業務端末の認証用に使い始めた2007年9月。データセンターで認証サーバーを管理する担当者と、端末を設計する担当者は、実は、有効期限が残り1年間しかない暗証キーを使うことを認識していたという。両者の打ち合わせの中で書類で有効期限の情報は共有していたという。「(端末の開発担当者は)データセンターの担当者が更新するだろうと思い込んでいたようだ。会話が不十分だったためのごく初歩的なミス」(佐藤室長)

 同社には2007年5月27日にも、ネットワーク機器を原因とするシステム障害が発生し、運航に大きな影響を及ぼした“前科”がある。復旧後に外部のコンサルタントと再発防止策を議論するなかで、「業務手順の標準化が不十分」と指摘を受けていた。これを受けて、2007年10月以後の新規のシステム開発では作業手順の標準化を進めていたものの、同年9月に使い始めた今回のシステムの業務手順についてはその教訓が生かされなかった。「標準化作業に取り組んでいる矢先のことだった。業務プロセスを明確にして、(ほかの担当者に)引き継げるように改善していきたい」(佐藤室長)と再発防止に向けての反省と取り組みを語った。