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図1●グリーン・グリッドは,データセンターの生産性を評価する指標(DCP;Datacenter Productivity)を開発中
図1●グリーン・グリッドは,データセンターの生産性を評価する指標(DCP;Datacenter Productivity)を開発中
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 「データセンターのグリーン化は早急に取り組むべき課題。今すぐPUE(電力使用効率)の目標値を設定し,消費電力削減の取り組みを開始すべきだ」──。2008年10月3日,千葉・幕張メッセのCEATEC会場内で開催されたグリーンITシンポジウムにおいて,データセンターの省電力化を推進する業界団体「グリーン・グリッド」の日本コミュニケーション委員会代表の坂内美子氏が登壇,電力消費の実態把握と削減に向けた戦略策定の重要性を訴えた。

 グリーン・グリッドは2008年5月,日本やアジア地域向けの省エネ・モデルやベストプラクティスを作成するワーキング・グループである日本委員会を発足。現在は日本のITベンダーや米国ベンダーの支社など26社が参加し,データセンターやサーバー室のエネルギー効率を評価する指標の開発・普及などに取り組んでいる。PUEとはエネルギー効率指標の一つで,データセンターなどの設備全体の消費電力を,IT機器の消費電力で割ったものである。

 「データセンター事業者を中心に,グリーン・グリッドが提唱するPUEが普及してきた」と坂内氏は語り,IT業界全体の省電力意識の高まりを実感しているという。

 「PUEという指標を取り入れる最大のメリットは,データセンターの省電力化の目標と戦略が明確になること」と坂内氏は強調。ある米国のデータセンターは,当初PUEが2.0だったが,1.4にすることを目標に消費電力の削減対策に取り組んだ。その結果,最終的に消費電力を30%削減して目標を達成すると共に,年間270万ドルの電力コストを削減できたという。

 事実,新規に開業するデータセンターは,競うようにPUEの低さ(高いエネルギー効率)をアピールし始めている。「PUEが浸透することは歓迎すべきだが,その一方で,PUEの算出方法にあいまいな部分があることや,欧米とアジアの地域性の違いを考慮すべきとの意見も出ている」と坂内氏は明かす。

 今後は,PUEの算出方法の標準化を進めると同時に,データセンターの生産性を評価する指標(DCP:Datacenter Productivity=IT機器全体の処理量/設備全体の消費電力)についても開発を進めていく。これによって,省電力機器の導入だけでなく,サーバーの稼働率や,仮想化技術の導入といった施策を含め,データセンターの処理効率をトータルに評価できるようになる。