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 スカイプのJosh Silverman社長は10月2日,中国語版のSkypeにセキュリティ上の問題があったことを同社の公式ブログで認めた。カナダのトロント大学の調査研究グループ「Citizen Lab」が10月1日に公表したリポート(PDF)を受けたもの。

 スカイプは中国でサービスを提供するため,2004年11月に現地のインターネット接続事業者TOM Onlineと提携。合弁会社を設立して中国語版のSkypeを提供していた(関連記事)。Citizen Labがリポートで指摘した点は「TOM Onlineが中国語版のSkypeでユーザーの個人情報を含んだ通信内容をログに記録しており,そのデータが外部からアクセスできる状態になっていた」というのもの。

 Silverman社長はブログで,(1)特定のキーワードを含んだチャット・メッセージをサーバーに蓄積するようになっていたこと,(2)そのサーバーが外部からアクセスできる状態になっていたことを認めた。(1)については現在,原因を調査中。(2)については「TOM Onlineと共同で既に対処した」(同)とする。

 通信内容を記録していたことについてSilverman社長は,TOM Onlineが検閲目的で実施していたことを示唆している。「中国には検閲が存在し,中国政府が国内外の通信を監視しているというのが共通の認識。TOM Onlineも他の通信事業者と同様,中国の法規制を順守している。規制の対象は主に“攻撃的”と思われる特定の言葉を含んだメッセージだが,通信手段としては固定電話や携帯電話,電子メール,インスタント・メッセージのどれもがあてはまる」。

 スカイプは2006年4月,TOM Onlineがチャットに含まれる特定の文字をブロックするフィルタリングを実施していることを公表。当時は「表示に適さないメッセージを発見した場合はそのメッセージを破棄し,表示や転送はしない」としていた。しかし,特定のキーワードを含むチャット・メッセージそのものをサーバーに蓄積していたことまでは認識していなかったようだ。Silverman社長は「(中国語版以外の)Skype同士のやり取りに関しては安全でプライバシの問題はない」としている。

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(追記)チャット・メッセージの保存は「中国政府の要望」に基づく

 Silverman社長は2008年10月4日に更新したブログで,TOM Onlineが「中国政府の要望」に基づいて特定のチャットをサーバーに保存していたことを明らかにした。スカイプは今後も中国でのサービス提供を継続する方針で,そのためには現地の法規制に従わざるを得ない旨を述べている。スカイプにできることは「中国内外へのチャット・メッセージが監視,保存されることをSkypeユーザーに公に伝えること」としている。

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■変更履歴
10月4日にJosh Silverman社長の新しいブログ・エントリが公開されたので,その情報を追記いたしました。[2008/10/06 16:00]