PR
左からNTT オープンソースソフトウェアセンタ 事業化推進PT 担当部長 館剛司氏,同センタ長 木ノ原誠司氏,EnterpriseDB共同創業者で上級副社長Andy Astor氏,同チーフ・アーキテクトDenis Lussier氏
左からNTT オープンソースソフトウェアセンタ 事業化推進PT 担当部長 館剛司氏,同センタ長 木ノ原誠司氏,EnterpriseDB共同創業者で上級副社長Andy Astor氏,同チーフ・アーキテクトDenis Lussier氏
[画像のクリックで拡大表示]
NTTによる,PostgreSQL導入にともなうTCO削減の試算
NTTによる,PostgreSQL導入にともなうTCO削減の試算
[画像のクリックで拡大表示]
NTT社内でのPostgreSQL導入ターゲット
NTT社内でのPostgreSQL導入ターゲット
[画像のクリックで拡大表示]

 NTTは2008年10月7日,PostgreSQLベースのオープンソース・データベースを開発,販売している米EnterpriseDBに出資し提携すると発表した。大規模システムへ適用するための技術開発,およびNTTと一般企業ユーザーへの普及促進を共同で行う。

 EnterpriseDBは「PostgreSQLの主要メンバーの約30%が在籍している」(EnterpriseDB共同創業者で上級副社長Andy Astor氏)。PostgreSQLの開発を行うとともに,機能を拡張した有償版であるPostgres Plus Advanced Serverを販売している。Postgres Plus Advanced ServerはOracleとの互換性を向上させるツールや監視ツールなどを備えている。

 NTTではPostgreSQLを標準のオープンソース・データベース管理システムと位置づけており(関連記事),すでに数十のシステムで利用している。「現在,NTTグループには数百のシステムがあり,そのうちPostgreSQLの導入率は10%程度」(NTT オープンソースソフトウェアセンタ センタ長 木ノ原誠司氏)。

 PostgreSQL自体の開発にも参加している。「2008年2月にリリースされた最新版PostgreSQL 8.3の主要な性能改善3件のうち,2件はNTTが貢献している」(NTT 木ノ原氏)。具体的には,データ配置の自動最適化機能の改良と,ディスクへのデータ書き込み負荷の平準化を行っている。ほかにも合計45件の改善提案を行い,また日本語全文検索ツールtextsearch-ja,トランザクションログのアーカイブ容量削減ツールpglesslog,大量データを高速にロードするためのツールpg_bulkloadを公開している。

 NTTでは,5年間累計で少なくとも20~30億円のTCO削減効果を予想している。「PostgreSQL 8.3では1テラバイト(TB),要求される可用性が99.99%(故障時の切り替え時間5分以内)のシステムに適用できると判断している」(NTT オープンソースソフトウェアセンタ 事業化推進PT 担当部長 館剛司氏)。2011年度には10TB,可用性が99.999%(故障時の切り替え時間1分以内)への適用が可能になり,顧客料金系システムなどでも利用できるようになると予測している。

 これらにより「今後5年間で,PosgtreSQLの適用率を25%まで上げることができると見ている。それを積み上げたTCO削減効果が20~30億円」(NTT 木ノ原氏)。

 また,2008年9月2日に発表したSaaS事業者向けサービス基盤への適用も目指す。EnterpriseDBが開発しオープンソース・ソフトウエアとして公開している並列処理技術GridSQLと,NTTが開発しPostgtreSQLコミュニティに提案している同期レプリケーション技術を組み合わせることで,PostgreSQLで大規模な分散データベースを実現する技術を開発する。

 NTTからEnterpriseDBへの出資金額および比率は非公開。日本でコンテンツ・ロジスティック・リナックスがEnterpriseDBの代理店となっているが,EnterpriseDBでは「日本での代理店を増やしていきたい」(EnterpriseDB Astor氏)としており,すでに複数の企業と交渉している。NTTも代理店となることを検討しているという。