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写真●グリーンIT推進協議会で運営委員会委員長を務める亀尾和弘氏
写真●グリーンIT推進協議会で運営委員会委員長を務める亀尾和弘氏
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 「ITによる社会の省エネ効果は2025年時点で5891億kWH。一方,IT機器の消費電力は1000億kWH強」---。ITとエレクトロニクスの省エネルギを推進する組織として2008年2月に設立された組織が「グリーンIT推進協議会(Green IT Promotion Council)」である。運営委員会委員長を務める亀尾和弘氏は2008年10月14日,「グリーンITフォーラム」で講演し,協議会の活動と,日本の省エネの実態について報告した(写真)。

 亀尾氏は冒頭で,日本の電力利用効率の優秀さをグラフで示した。GDP(国内総生産)当たりの一次エネルギ消費量グラフである。日本を1.0とすると,EU(欧州)でも1.9と日本の2倍弱,米国で2.0,世界平均で3程度となる。世界的に見て,日本は極めて優秀な省エネルギ国家であることを,亀尾氏は示した。

 次に亀尾氏は自動車やエレクトロニクス機器に果たすITの役割の大きさについて説明した。組み込まれているソフトウエアの量は,ソースコードのステップ数で,自動車が500万~1000万行,携帯電話で500万行に達する。500万行というと,1980年代半ばの金融機関システムに匹敵する。

 こうした,ITの果たす役割の大きさという背景から,産官学が一体となり,グリーンIT推進協議会が設立されたという。参加団体は9月10日時点で216社。主な活動内容は,省エネと省エネ技術の普及啓蒙活動,海外との連携や国際シンポジウムの開催,IT省エネ技術の抽出とロードマップ作成,省エネの定量的調査・分析,などである。

ITによる省エネ効果はITの電力消費を大きく上回る

 経済産業省の予測した,2006年から2025年にかけてのITが省エネルギに果たす役割は,以下の通り。2025年時点で,ITによる社会の省エネ効果は,4900億kWHに達する。一方,2025年時点でのIT機器の消費電力は1000億kWH強であるため,IT機器自身が消費する電力よりも,IT機器によって得られる社会の省エネ効果の方がはるかに大きいことになる。

 亀尾氏はITによる省エネの具体例も,いくつか示した。例えば,役所が電子申請システムを導入することで電力を85%削減,自動車がITS車載ステーションを導入することでCO2を19%削減,企業が電子会議システムを導入することで,CO2を79%削減できるという。

 家電や照明などエレクトロニクス機器における省エネへのITの貢献度も高い。家庭の電力消費は,エアコン(25.2%),冷蔵庫(16.1%),照明器具(16.1%),テレビ(9.9%)で,全体の7割を占める。ここで,エアコンや冷蔵庫などは,2010年に145億kWHの削減,2025年に457億kWHの削減が見込まれる。削減額のうち,ITによる貢献度は30%程度という。