PR
写真●室蘭工業大学が展示している,雪冷房を利用した省電力型データセンター「ホワイトデータセンター」の模型
写真●室蘭工業大学が展示している,雪冷房を利用した省電力型データセンター「ホワイトデータセンター」の模型
[画像のクリックで拡大表示]

 2008年10月15日から東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2008 Autumn」のグリーンITショーケースで,室蘭工業大学が,雪冷房を利用した省電力型データセンターである「ホワイトデータセンター」の模型を展示した(写真)。雪の間に空気を通すことで,真夏でも15度以下の外気をデータセンターに送り込むことができ,1000kWともいわれる冷房負荷を削減できる。

 北海道では市街地などに積もった雪を自治体が除雪し,雪捨て場に捨てている。その量は札幌市だけで100万トンにもなり,高さ40mの雪山ができるほどだ。室蘭工業大学の媚山(こびやま)政良教授は,雪を「冷熱エネルギー」として活用する技術に10年以上前から取り組み,1995年には米をもみのまま冷温貯蔵する設備に導入した。

 媚山教授が現在注目しているのは,巨大な電力消費が問題になっているデータセンターだ。「北海道にはデータセンターの建設に有利な条件が揃っている。寒冷な外気と雪,それに広くて安価な土地があるからだ」(同教授)。

 例えば外気温が15度以上になったら冷房するとすれば,東京では4月から10月にかけて4541時間も冷房しなければならない。これに対し,札幌では2567時間で済むので,冷房負荷を56%に抑えられるという。媚山教授はこの冷房負荷を雪の冷熱エネルギーでまかなおうと考え,データセンターと雪山を一体化した「ホワイトデータセンター」構想を打ち出した。

 「冷房負荷1000kWのデータセンターを夏中冷房するためには5万トンの雪山が必要。北海道美唄市のそらち工業団地に150メートル四方の適当な土地があるため,ここに建設することを想定して模型を作った」と媚山教授は話す。

 雪山の大きさは幅80m×奥行き130m×高さ17mほどで,冬の間に雪を運び入れておき,溶けにくいように表面にもみ殻か木材チップを積んで覆っておく。雪山には何本も空気の通り道を作り,ここを通って冷えた空気をデータセンターのサーバー室に送り込む。データセンターの横には温室栽培工場を作り,夏は余剰となった冷気を,冬はデータセンターからの排熱を利用して野菜の栽培を行うことを提案している。

 「雪は貴重な自然エネルギー。利用しない手はない」と媚山教授。10月中にもそらち工業団地のある北海道美唄市でホワイトデータセンターのセミナーを開催し,本格的に構想の実現に向けて動き出す。