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 米Yahoo!にとって2008年は厳しい年となったが,その状況は悪化する一方にみえる。Yahoo!は,大規模なレイオフと全社的な経費削減の計画を2008年10月第4週に発表する。かつてインターネット市場の大手企業だった同社は,株価が10ドル近くまで下落した。Yahoo!経営陣が,米Microsoftの示した1株当たり31ドルという買収提案を果敢に拒否したのは,わずか数カ月前のことだ。

 Yahoo!は2008年第3四半期決算を発表する10月21日(米国時間)に,人員/経費削減策を公表するとみられる。削減の具体的な内容は今のところ不明だが,同社に近い複数の関係筋から情報が2件流れてきた。今回のレイオフ対象人数は,株価が20ドル台前半まで落ち込んだ2008年1月にレイオフした1000人を間違いなく上回りそうだ。社内には15%の経費削減を指示した。新規雇用もほぼ取りやめており,外部リクルータ数十社との契約を打ち切ったらしい。

 Yahoo!は業績が低迷している要因として,躊躇することなく世界経済の悪化を挙げるだろうが,同じ時期に主要ライバルである米Googleは市場シェアと売上高を伸ばし続けている(関連記事:GoogleのQ3決算,前年同期比31%増収で利益は26%増)。FacebookやMySpace.comといった人気インターネット・サービスも,Googleと同様の成長を続けている。

 米Wall Street Journal紙によると,Yahoo!は社内の構造改革にとどまらず,外部の力を借りることも検討しているという。例えば,米Time Warner傘下の米AOLとの合併といった選択肢を考え始めた。MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏は10月第3週,Yahoo!と契約する可能性がまだ残っていると匂わせたが,Microsoftの関係者は「Yahoo!と交渉している事実などない」と即座に否定した(関連記事:MicrosoftがYahoo!との再交渉を否定,「当社の立場は変わらない」)。

 Yahoo!に関する動きとして,同社が以前発表したオンライン検索事業をGoogleに外部委託する計画もある。ただし,これについては米司法省(DOJ)が独占禁止法の観点から阻止を考えているようだ。両社は,契約締結をDOJの対応を待ってから行うことで合意した。Yahoo!/Google陣営とDOJは,現在も実現可能な契約内容についての協議を進めている。

 Yahoo!は財政面でも戦略面でもMicrosoftに利用されることになったが,2008年1月に買収を持ちかけられた時点で誘いに飛びついているべきだった。今になってみれば,Yahoo!の経営陣でさえも同社の将来に暗雲が垂れ込めているとはっきり理解しているはずだ。もっとも,それは何カ月も前から分かりきっていたことである。